
回線速度の向上、保守、トラブル対応時の作業負荷を軽減するためにFENICSビジネスVPNサービスを導入したところ、経理業務の効率化、モバイル活用による営業活動の支援など、導入効果が波及的に広がりました。高パフォーマンスとしっかりしたセキュリティ機能を備えたFENICSビジネスVPNサービスが中堅、中小企業のネットワーク環境を変革します。
[ 2010年11月4日掲載 ]
| 業種: | 高圧・液化ガス輸送業 |
|---|---|
| 導入サービス: | FENICSビジネスVPNサービス |
| 規模: | 本社含め18拠点 |
| 構築期間: | 検討3ヵ月、構築3ヵ月 |
| 構築ベンダー: | 株式会社 さくらケーシーエス |
| 1 | インターネットVPNではセキュリティ面で不安があるため、拠点と本社間の重要データ送受信ができなかった | セキュアなFENICSビジネスVPNサービスを利用することで会計データの送受信に踏み切れた | |
| 2 | ネットワークのトラブル時、原因の切り分け、復旧に多大な時間を費やしていた | 回線、ハードウェアのトラブル対応とサポートのワンストップサービス利用で大幅改善 | |
| 3 | 荷主様との商談を迅速に進めるため、モバイルからグループウェアなどを利用できる環境構築が求められていた | アドオン機能によりモバイルとの連携が可能となり、得意先など社外からデータにアクセスする環境が整った | |
| 4 | インターネット回線の速度が遅く、メールをスムーズに送受信できなかった | 新規VPNの利用で回線速度は高速化。メール送信の待ち時間がゼロに |

宮田 泰幸氏
取締役副社長
マルエス工運株式会社様は、北は福島県から南は福岡県まで、全国に広がる7社18拠点の高圧・液化ガスの輸送会社の持ち株会社です。輸送するガスは、半導体製造用、化成品製造用、鉄鋼の加工製造用などを中心に多岐にわたっています。
マルエスグループが業界ナンバーワンとして躍進を続ける理由について、同社取締役副社長の宮田泰幸氏は「マイナス180度という極低温、高純度のあらゆる種類の高圧・液化ガスを、荷主様のニーズに対応し24時間安全確実に運搬、供給するノウハウを磨き続けてきたところにあります」と語ります。また同グループは、高圧ガスタンク等のメンテナンス、重量物、長尺品の輸送・据え付け、特殊車両の設計・製作なども手がけ、物流のトータルプランナーとして多様なニーズに応えています。
持ち株会社である同社には、18拠点から人事、経理など各種の業務データが寄せられます。当然のことながら、インターネットでのやりとりが効率的ですが、勤怠データなどについてのみで、肝心の会計データは月末に郵送で届けられていました。
その理由は2つ。1つは、旧ネットワークの通信速度が遅いため時間帯によっては、少しでも重いファイルが添付されると20~30分間、他のメール送受信が止まってしまう状態も生じるほどでした。当初、フレームリレーを利用していた同社は、通信速度を上げるためインターネットVPNに切り替えましたが、期待したほどスピードは上がりませんでした。そのため本社と拠点間の本格的なデータの送受信には無理がありました。そしてもう1つの理由は、セキュリティ上の不安でした。自前で構築していたVPNは、いったんインターネットに入るため、データが漏出してしまう可能性がぬぐえず、会計データなど重要な情報のやりとりに踏み切れずにいたのです。

村岡 博明氏
情報システム部 部長
中堅企業の多くがそうであるように、同社にはネットワーク専任担当者がいませんでした。そのためトラブル発生時の対応にはいつも苦慮していました。同社情報システム部部長の村岡博明氏はこう語ります。「トラブル原因がルータやパソコンなど自社内ハードウェアにあるのか、回線にあるのかの切り分けに最低1日。接続サービス会社に問い合わせても、担当部署をたらい回しにされることもありました。ようやく原因を突き止め、対応は翌日。トラブル解消に少なくとも2日はかかっていました」。
新たな拠点にVPNを構築する場合、自社で行うことには負担と不安がつきまとっていました。接続サービス会社への回線使用申請には時間がかかります。またインターネット網に入っていくVPNでは、構築の経験や知識の度合いにより、セキュリティ上の穴に気づかないという心配もありました。

新たなネットワークインフラの構築で同社が重視したのは、何よりも速い回線スピード、セキュリティの高さ、そして保守・メンテナンス、モバイルとの連携が容易にできることでした。モバイルとの連携を重視した理由について宮田氏はこう語ります。「大手運送会社のガス輸送分野への参入で、業界の競争は厳しさを増しています。荷主様の情報をいち早く社内の関係者に伝えるため、商談や会議中でもグループウェアにアクセス、メールや稟議システムを利用できる環境を、低コストで実現する必要がありました。そのためには従来のPHSに代わる、高速でデータをやりとりできるモバイルとの連携が必要だったのです」。
2006年6月、商談を開始した同社は同年9月にFENICSビジネスVPNサービスの導入を決めました。採用理由について村岡氏はこう説明します。「回線スピードの速さ、閉域網ゆえにセキュアな点、モバイル連携がアドオンで実現できる点もさることながら、トラブル時のワンストップ対応は大きな魅力でした。FENICSビジネスVPNサービスを知るまでは『運用やトラブル対処は自社負担が当たり前』と思い込んでいました。ネットワークの専任担当者をおくことが難しい中小規模の当社に最適です」。
ネットワークインフラ再構築では、通信事業者が構築した閉域のIP網を利用する高パフォーマンスのFENICSビジネスVPNサービスが導入されました。回線スピードが遅かったため、メール送受信に長い時間がかかる問題は解消されました。またインターネット接続においてもファイアーウォール機能内蔵のIPアクセスルータ「Si-R」を導入。これらによりセキュリティ上の穴、重要データ漏出の心配は払拭されました。
旧ネットワークインフラで大きな問題となっていたトラブル時の作業負荷は、回線、ルータなどハードウェアのサポート窓口が一本化されたことで大幅に軽減されました。「障害対応はきわめて迅速です。365日24時間態勢で回線やルータを監視し、トラブル発生時にはメールあるいは電話で一報があります。なにより助かるのは、トラブルの原因を富士通側で切り分け、対処してもらえることです。」(村岡氏)。
モバイルとの連携については、簡単に追加できるオプションサービスのリモートアクセスゲートウェイ機能を利用、2009年5月より運用が始まっています。

FENICSビジネスVPNを導入することで、ネットワーク関連の運用コストは約2割削減されました。また同社の会計業務は大幅に効率化されました。インターネットVPNでは情報漏出の恐れからできなかった会計データの送受信も実現。2009年、会計システムの刷新とともに、数カ所の拠点で仕訳伝票データをネットワーク経由で同社に集約する態勢が整い、紙ベースの情報を手入力していた作業が自動化。経営層が求める情報をスピーディーに提供できるようになりました。
村岡氏はFENICSビジネスVPNの導入前・導入後を比較し、こう語ります。「旧インフラはパフォーマンスが低く、またセキュリティ面の不安などが足を引っ張り、新しい業務改革に取り組む意欲が湧いてきませんでした。しかし回線速度が飛躍的に高まり、セキュリティがしっかり保たれ、モバイルの活用が容易になったことで、改善可能な業務がいろいろと見えてきました。これが最大の導入効果です」。
ガス運搬を手がける同社にとって長年の課題は、荷主様からの依頼に24時間態勢で対応する配車業務のシステム化です。現在、同社の配車は、熟練した担当者が夜勤や残業の状態、労働規約など、多岐にわたる乗務員情報を勘案し、配車・配送計画を立てています。「システム化が難しいと言われる業務領域の効率化にチャレンジする意欲が出てきたのも、ネットワークインフラを再構築したおかげだと考えています」(村岡氏)。
富士通は今後も、中小中堅企業のネットワークソリューションの機能・サービスの向上に努めてまいります。

中村 豊文氏
株式会社さくらケーシーエス 産業ソリューション事業部 産業営業一部 営業一グループ リーダー
マルエス工運様は、ネットワークにおける様々な課題をお持ちだったので、ご担当管理部門の方の業務負担は大かったと思います。ご担当者様のご負担を私ども富士通FENICSサービスによって軽減でき最適なご提案が出来たことに満足しております。また関係各位のご協力によりスムーズに移行することができて感謝しております。今後とも良きサービスの提供とご提案を行っていきたいと思っております。
| 所在地 | 〒660-0092 兵庫県尼崎市鶴町7番地8 |
|---|---|
| 代表取締役社長 | 福本 正昭 |
| 設立 | 1953年(昭和28年) |
| 資本金 | 9000万円 |
| 従業員数 | 426名(グループ全体) |
| 事業内容 | 高圧ガスの輸送管理、高圧ガス製造設備/メンテナンス、重量物運搬、倉庫業、特殊車両の設計製作、化成品/危険物輸送ほか |
| ホームページ |
マルエス工運株式会社 ホームページ |
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