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前編 ホワイトカラーの生産性向上を実現するオフィス改革とは

ホワイトカラーの生産性向上を実現するオフィス改革とは

本内容は、2007年2月に日経BP社「ITpro」に掲載されたものです。


企業競争力の向上には、ホワイトカラーの生産性向上が欠かせない。そのカギを握るのが、オフィス環境だ。そこで、新しいオフィスとワークスタイルについて、2回にわたって検証していく。

ホワイトカラーの生産性向上が急務

中国やインドをはじめとする東南アジア諸国の経済発展に伴い、日本の国際競争力が年々低下している。
その一例として2005年の地域別GDP伸び率を見てみると、日本の2.7%に対して、中国は9.9%、インドは8.3%と大きな差が開いた。日本は世界平均の4.8%にも及ばず、大きく成長する世界経済を背景に、停滞する日本経済の姿が浮き彫りになっている。

国・地域別GDP伸び率(2005年)
出典:2006年版 ジェトロ貿易投資白書

グラフ
拡大図を表示する(JPEG / 7KB)

また、2006年12月に発表されたのGDP労働生産性の統計によると、OECD(経済協力開発機構)30カ国中第19位、先進主要7カ国中では最下位という結果であった。

2006年12月に発表されたGDP労働生産性
出典:財団法人 社会経済生産性本部

グラフ
拡大図を表示する(JPEG / 26KB)

成長の鈍化にはさまざまな要因があるが、労働生産性の低さも1つの要因であることが、ここからも推察できる。その背景には、ものづくり大国である日本の高度な生産プロセスに比べ、ホワイトカラーの業務プロセスに課題があり、全体的な生産性を押し下げていると考えられる。日本企業の優れたものづくりやきめ細かなサービスを提供する力を最大限に活かすためにも、ホワイトカラーの生産性向上が急務であろう。
そこで今回は、「ホワイトカラーの生産性向上」をテーマに、生産性向上を実現するためのポイントやその取り組みの様子について探ってみることにしよう。

ホワイトカラーの生産性を向上させるには

それでは、ホワイトカラーの生産性を向上するためには、何が必要なのだろうか。そのポイントを探っていく。

コミュニケーション

まず重要なのが、円滑なコミュニケーションだ。生産性の向上には迅速な意思決定が欠かせず、そのためには、ディシジョン・メーカーに確実に情報が伝達される必要があるからだ。素早いコミュニケーションで情報を風通しよく流すこと。これが、ビジネススピードと生産性の向上に欠かせない。

コラボレーション

さらに、スムーズにコラボレーションが行える環境も重要だ。個人でできる仕事には限界がある。2人の個人作業を足すだけでは2人分にしかならないが、2人が協力することによって3人分、4人分の力を発揮することは少なくない。
これを実現するためには、必要な情報を確実にチームで共有し、チームとして業務を進めることがポイントとなる。

セキュリティ

そして、コミュニケーションやコラボレーションを活性化させるためには、セキュアな環境が欠かせない。
セキュリティ強化は時に生産性向上に相反する場合もあるが、これを怠り、個人情報や機密情報が漏えいでもすれば、ビジネスに大打撃を与える可能性がある。かと言ってセキュリティを気遣うあまり、社員が萎縮して力を発揮できないようでは意味がない。むしろ執務環境やネットワーク環境を確実にセキュリティで守り、その環境下であれば伸び伸びと業務に専念できる環境こそ必要と言えよう。

このように、ホワイトカラーの生産性を向上させるためには、主に「コミュニケーション」、「コラボレーション」、「セキュリティ」の3つが重要であると言える。
そしてこれらを実践し、ITを活用しながら生産性の向上を進めているオフィスがある。

さまざまな実践を積み重ねながら成長してきた富士通ソリューションスクエア

富士通ソリューションスクエア富士通ソリューションスクエアは生産性向上をテーマに、最先端の取り組みを実践する場として設計された建物で、上記の3つのキーワードを実現しているオフィスだ。
富士通の多くの事業所の中でも、先進的な取り組みを行い、今まで新たなテクノロジーや考え方を社内で実践・検証する場として運用してきた。

今回実際に、富士通ソリューションスクエアで働く社員に、実践の過程で起きたエピソードについて聞いた。



執務スペース

執務スペース

コラボレーションゾーン

コラボレーションゾーン

ウッドデッキ・スペース

ウッドデッキ・スペース


社員Aさんの声

以前は社内にいると、どんなに集中していても部門にかかってきた電話を取らざるを得ず、たびたび仕事が中断させられていました。また相手がどこにいるかわからないと転送にも手間取り、お客様を待たせることもありました。

現在はフリーアドレス・オフィスになっていますが、机の電話にログインして内線電話として利用する運用になっているため、内線は本人に直接かかりますし、転送も本人がログインしていればすぐにつながるので、取り次ぎ業務が減り、仕事に集中できるようになりました。

社員Bさんの声

われわれSEは外出先での仕事が多く、そこで手元にはないが既に作成した資料が必要になることが少なくありません。以前はそんな時、一旦戻ってから相手に送っていました。

現在はあらゆるデータがサーバ上で共有され、外から社内の業務環境に安全にアクセスできるので、どこからでも必要な時に必要なデータを閲覧することが可能になり、スピーディーな意思決定ができるようになりました。

このように、富士通ソリューションスクエアは、さまざまな実践を積み重ねながら、たゆまず改革を続けている。
現在も新たな技術を取り入れたり、社員が各種ツールを進んで利用するために運用方法を見直すなど、絶えず進化し続け、そのノウハウも蓄積されている。

「オフィス・イノベーションモデル」の紹介

「オフィス・イノベーションモデル」は、この富士通ソリューションスクエアでの取り組みからまとめあげ、ITに落とし込んだものだ。そこで企業コンサルティングに通じ、ソリューションスクエアの設計・構築にも携わった富士通 コンサルティング事業本部 担当部長 藤井 則夫氏に話を聞いた。

MESSAGE

藤井 則夫氏

富士通株式会社
コンサルティング
事業本部
担当部長

藤井 則夫

富士通ソリューションスクエアは、オープンから3年が経ちました。ここで実際に社員がさまざまな設備やシステムを使うことによって、細かな使い勝手まで検証し、お客様の業務改革に有用なテクノロジーを手軽に利用できるよう、PDCAサイクルをまわしながら15のモデルにまとめあげたものがオフィス・イノベーションモデルです。
これらのモデルは、お客様のニーズに合わせて、自由に組み合わせ、必要な機能をご利用いただくことができます。
また、ソリューションスクエアでの取り組みにおいて、実際に頭を悩ませ汗を流すことによって机上では見えなかったものが見えるようになり、そういったプロセスを踏んだからこそノウハウも蓄積され、真に使い勝手のよいソリューションとなったと言えます。

では生産性を向上させる3つのポイント、「コミュニケーション」「コラボレーション」「セキュリティ」に沿って、オフィス・イノベーションモデルを簡単にご紹介をします。
まず、円滑な「コミュニケーション」を行うためのツールとしては、例えばIP固定電話に加えて無線LANデュアル携帯端末があります。無線LANデュアル端末は、1台の端末で、社内では無線LANを利用したIP電話端末として、社外では携帯電話として利用可能なので、社内でも社外でも確実に相手に連絡がとれます。さらに多くの電話が本人に直接かかるため、社内のスタッフも電話の取り次ぎが減り、業務を妨げられることもなく業務の生産性が大きく向上します。

「コラボレーション」を促進するモデルとしては、ペーパーレスモデルがあります。紙資料を電子化し、それをネットワークで共有することによって、フレキシブルで能率的なオフィス環境を実現することが可能です。
また、現在はオフィス・イノベーションモデルのラインナップには入っていませんが、フリーアドレス・オフィスで従業員の着席場所を検索するのに役立つ座席表示システムなども現在検証中です。

「セキュリティ」については、LANに不正なPCをアクセスさせないアクセスセキュリティモデル(認証ネットワークSR-Sシリーズ検疫ネットワークSR-Sシリーズ検疫ネットワークIPCOM Lシリーズ)、携帯電話から社内サーバへセキュアなアクセスを実現する携帯リモートアクセスモデル、パソコンや外部記憶媒体からの情報漏えいを防止する情報漏えい対策モデルなどがあります。

モデル体系

コミュニケーションを円滑にする「無線LANデュアル携帯モデル」

これらの中でも、とりわけ円滑なコミュニケーションが重要だ。情報が素早く必要な人のところに伝わらなければ、組織の意思決定が遅れ、取り返しのつかないことになりかねない。それを支えるソリューションとして、最近にわかに注目されているものが「無線LANデュアル端末」だ。
藤井氏のコメントにもあったように、「無線LANデュアル端末」は、1台の携帯端末で社内では内線電話、社外では携帯電話として利用可能だ。さらに、社員同士が社内(無線LANエリア内)にいる時には、090発信しても内線番号としてかかるので、通信コストをも削減できるという優れものだ。

後編はさらに掘り進んで、「無線LANデュアル端末」の実際の導入事例や、携帯電話をよりビジネスシーンに活用する「携帯電話活用モデル」について紹介する。

前編 ホワイトカラーの生産性向上を実現するオフィス改革とは

ホワイトカラーの生産性向上が急務

ホワイトカラーの生産性を向上させるには

さまざまな実践を積み重ねながら成長してきた富士通ソリューションスクエア

「オフィス・イノベーションモデル」の紹介

後編「無線LANデュアル端末連携モデル」で、生産性の向上を実現

多くの企業で社内コミュニケーションが不足

顧客対応の遅れや煩雑な連絡業務の改善が急務

無線LANデュアル端末の活用で、外出先でもスムーズな連絡や報告を実現

社内外のコミュニケーション活性化をはじめ、7つのメリットを享受

社内利用の拡大とともに顧客にソリューションを提供していく


本内容は、2007年2月に日経BP社「ITpro」に掲載されたものです。

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