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後編 「無線LANデュアル端末連携モデル」で生産性の向上を実現

「無線LANデュアル端末連携モデル」で生産性の向上を実現

本内容は、2007年3月に日経BP社「ITpro」に掲載されたものです。


前編では、ホワイトカラーの生産性向上のためのポイントとして「コミュニケーション」、「コラボレーション」、「セキュリティ」の3点が重要であることを紹介した。今回は、その中でも特に重要となりつつある「コミュニケーション」にスポットを当て、円滑なコミュニケーションを実現することで生産性向上や業務改革を実現した富士通ビジネスシステムの取り組みを紹介する。

多くの企業で社内コミュニケーションが不足

E-mailやインスタントメッセンジャー、イントラネットの掲示板などコミュニケーションが多様化している中、多くの企業がこれらのツールから複数を利用してコミュニケーションの活性化を図ろうとしている。しかしながら、社団法人 日本経営協会の『ビジネス・コミュニケーション白書2005』によると、「部門間のコミュニケーション不足を感じている」という企業が半数以上にのぼる。

社内コミュニケーションの現状について
出典:「ビジネス・コミュニケーション白書 2005」
(社団法人 日本経営協会)

社内コミュニケーションの現状について
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また、社内コミュニケーションを進める上でのネックとして最も多かったのが「業務多忙でコミュニケーションの機会が少ない」(50.7%)。さらに、「インフォーマルな交流が少ない」(22%)、「派遣社員、パート、アルバイトなど社員層が複雑」(16.5%)と続き、企業がビジネスのスピードアップや効率化を求めている反面、コミュニケーションに支障をきたしている状況が見てとれる。
コミュニケーションに問題があると、チーム全体の力が損われ、生産性やビジネスのスピードアップに支障が出ることは前編で解説した通りである。
今回紹介する富士通ビジネスシステムも、実は多くの企業と同じように、コミュニケーションにおける課題を抱えていた。

顧客対応の遅れや煩雑な連絡業務の改善が急務

谷口幸一氏

株式会社富士通ビジネスシステム
マーケティング本部
ネットワークビジネス推進部
プロフェッショナル課長

谷口幸一

今回の事例の舞台である富士通ビジネスシステムの関西営業本部が抱えていた課題は、主にコミュニケーションや業務生産性に関する問題である。
営業担当者は外出が多く、夕方帰社すると机に伝言メモが残っていることが多い。それに対して折り返し連絡しても今度は先方が会議や外出中で、何度も掛け直すこととなり、営業担当者の事務作業を繁雑にしていた。また、メールも含めてお客様対応が帰社後になる場合が多かったため、顧客を待たせてしまい、ひいては機会損失につながるケースもあったようだ。さらに、帰社後の日報作成にも時間がかかり、上司への素早い報告が難しかった。

一方オフィス内の事務部門では、お客様から営業への伝言などを聞き、メモとして残す作業に負担を感じていた。電話応対をする度に自分の作業が中断される上、長くかかればそれだけ元の作業に戻るのに時間がかかる。至急と言われれば営業担当者への連絡のため携帯電話に何度も連絡することもあり、積み上げればかなりの時間を電話応対に取られていた。

また、管理部門は組織変更に伴うレイアウト変更をする度に、新たに回線変更するための設定作業の手間と工事コストに頭を悩ませていた。

そこで、これらの課題を解決すべく、新しいビルへの移転を機に、オフィス・イノベーションモデルを導入。その導入指揮を行ったマーケティング本部 ネットワークビジネス推進部 プロフェッショナル課長 谷口 幸一氏は、「オフィス・イノベーションモデルを導入することでワークスタイルを変革し、素早いお客様対応や生産性を向上させることができると考えました。また、オフィス環境を整備し、自分の業務に専念できるようにすることで、社員のモチベーション向上も目指しました」とその目的を語る。

無線LANデュアル端末の活用で、外出先でもスムーズな連絡や報告を実現

同社は関西営業本部の移転に合わせてオフィス・イノベーションモデル「無線LANデュアル端末連携モデル」を導入に踏み切った。営業担当者と役職者全員に、auの無線LANデュアル端末「E02SA」110台を配布。この「無線LANデュアル端末連携モデル」は、社内では無線LANを利用したIP電話端末として、社外では携帯電話として利用可能なので、携帯電話の電波が届かなかったり、商談中で電話に出られない状態でない限り、確実に相手に連絡がとれるようになった。

KDDI「E02SA」 発信メニュー画面

KDDI「E02SA」発信メニュー画面

この「無線LANデュアル端末連携モデル」の導入にあたっては、入念な電波状況の調査を実施。アクセスポイントをどの場所にいくつ設置すれば、干渉波や外来波の干渉を防ぎ、アクセスポイントが切り替わる際の音切れがなくなり、営業担当者が集中する高密度エリアでも確実に通話を確保できるか、などを検証しつつ設計を行った。
また、「携帯電話活用モデル」もあわせて導入することで、携帯電話からの営業日報や、Web電話帳、Webメールの利用も可能になった。谷口氏は、「携帯電話でメールを外出先から閲覧できるようになったのは大きいですね。添付されたPDFやオフィスソフトも閲覧できるので、大抵のことはその場で分かるようになり非常に便利になりました。返信も会社のメールアドレスでできるので、お客様にも失礼にならず迅速な対応ができます。また、外出先から日報を記入することで、素早い報告が可能になり、営業担当者の帰社後の事務作業も軽減しました。しかも、端末にメールや電話番号の履歴が残らないので、セキュリティ上も安心です」と高く評価している。

同時に携帯電話関連のソリューションだけでなく、オフィス・イノベーションモデルの「ペーパーレスモデル」も導入。フリーアドレス・オフィスへ移行、加えてロッカーの体積を7割削減でき、また賃貸スペースも約3割減らすことに成功。そのため、駅近の新しいビルに移ったにもかかわらず、以前とほぼ変わらない賃貸料で済んだ。しかも、新しくきれいなオフィスになったことで社員のモチベーションも上がった。


利用イメージ

利用イメージ
拡大図を表示する(JPEG / 144KB)

社内外のコミュニケーション活性化をはじめ、7つのメリットを享受

ここで、今回オフィス・イノベーションモデルを導入したことによるメリットをまとめてみる。

1.社内コミュニケーションの活性化

営業担当者から上長に対し素早い報告が可能となり、問題発生にも迅速な対応ができるようになった。

2.生産性の向上

営業担当者が不在や外出中の場合でも、事務担当者は営業担当者と連絡がつきやすくなり、電話メモを残す頻度が激減。取り次ぎのために正規の業務を妨げられることが少なくなり、事務効率もアップした。

3.顧客満足度の向上

営業担当者が外出中、顧客からの電話やメールに対して、従来は帰社後に対応していたが、このシステム導入により外出先からでも迅速に対応ができるようになり、結果として顧客満足度が向上した。

4.社員のモチベーションアップ

ペーパーレスで整頓された新しいオフィスで仕事ができるだけでなく、営業担当者に仕事用として携帯電話を配布したこともモチベーション向上につながった。「従来、営業担当者は私物の携帯電話を利用せざるを得なかったので、それがなくなり彼らの不満も解消しました。また、重いPCを持ち歩かなくても、大抵の仕事には用が足りるので、その身軽さはかなり好評です」(谷口氏)

5.組織変更にも柔軟に対応

ワイヤレスにしたことで、レイアウト変更があっても、設定変更が容易になり、工事も不要になったため、 メンテナンスの手間やコストが大幅に削減できた。

6.セキュリティの向上

携帯端末で大抵の仕事はこなせるようになり、PCを持ち歩く必要がなくなった。また、メールや電話帳はサーバにあり、携帯電話の端末内にデータを持たないので、万一紛失した場合でも顧客情報などが漏えいする危険性がなくなった。 さらに、遠隔操作で内蔵されたすべてのデータを消去することも可能となった。

7.通信コスト削減にも貢献

内外線自動切り替え機能で、携帯電話にかけても社内にいれば自動的に内線に発信。そのため、携帯電話通話料の大幅な削減を実現した。

携帯電話端末

携帯電話端末

オフィスの様子

オフィスの様子


社内利用の拡大とともに顧客にソリューションを提供していく

今回同社では関西営業本部にこのオフィス・イノベーションモデルを導入したが、今後は全国展開も予定している。これが実現すれば、同社の別事業所へ出張した場合でも、内線通話が可能になるため、より一層の利便性向上とコストダウンにつながる。また、現在利用しているアプリケーションはSFAとメール、電話帳のみだが今後、携帯端末もマルチキャリア対応を考慮しアプリケーションの種類を増やしていく予定だ。

同社では、今回の自社導入の経験を活かし、顧客に提供していく予定だ。谷口氏は、「実際に導入して使ってみて、コミュニケーション活性化や迅速な顧客対応、生産性の向上などに大きな効果があることがよく分かりました。また導入にあたって、ネックとなりやすいアクセスポイントの設計ノウハウを、実際に経験することで蓄積することもできました。この経験を活かして、お客様により良いソリューションを提供していけると自負しています」と語る。

富士通の取り組み

富士通においても2007年1月より、新宿にオフィスを構える首都圏営業本部で「無線LANデュアル端末連携モデル」「携帯電話活用モデル」の試行を開始した。自ら試行することで、より使い勝手の良いソリューションとすべく、オフィス・イノベーションモデルをさらに進化させる狙いだ。

オフィス・イノベーションモデルご紹介

オフィス・イノベーションモデルは、「いつでも」、「どこでも」、「効率よく」仕事ができるユビキタス・オフィス環境を構築するソリューションです。IP テレフォニーを実現する「ベーシックモデル」を中心に、お客様のニーズに合わせた15モデルをテンプレート化。第1回で紹介してきたような、ホワイトカラーの生産性を向上させるための3つのポイント、「コミュニケーション」「コラボレーション」「セキュリティ」の強化を容易に実現できます。
また、製品はすべて検証済みなので、安全、確実、短期間に低コストで導入可能。自社の課題や優先順位に合わせて必要なモデルを組み合わせることで、最適なシステムを容易に構築できます。

今回ご紹介した富士通ビジネスシステムのように、今オフィス・イノベーションモデルを利用して、ワークスタイルを変革し、顧客対応力の強化や、スピード経営、生産性向上などを実現する企業が増えています。

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前編 ホワイトカラーの生産性向上を実現するオフィス改革とは

ホワイトカラーの生産性向上が急務

ホワイトカラーの生産性を向上させるには

さまざまな実践を積み重ねながら成長してきた富士通ソリューションスクエア

「オフィス・イノベーションモデル」の紹介

後編「無線LANデュアル端末連携モデル」で、生産性の向上を実現

多くの企業で社内コミュニケーションが不足

顧客対応の遅れや煩雑な連絡業務の改善が急務

無線LANデュアル端末の活用で、外出先でもスムーズな連絡や報告を実現

社内外のコミュニケーション活性化をはじめ、7つのメリットを享受

社内利用の拡大とともに顧客にソリューションを提供していく


本内容は、2007年3月に日経BP社「ITpro」に掲載されたものです。

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