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グループウェア
FUJITSU ビジネスアプリケーション JoinGear
JoinGear導入物語 第13話

第13話  JoinGear切り換えの危機

二代目社長が見直しを指示

振り返ってみればJoinGearを導入して10年目。その前身のVPOを導入して3年目にJoinGearに切り替えたのだから、グループウェアとしては都合12年間もほぼ同じものを使っている。ひろみとしては、この間ずっと担当してきたわけではないけれど、入社して最初の仕事だったからやはり思い入れがある。入社当時は100名ほどだったこの会社は、順調に業績を伸ばしていまでは国内では150名、これに海外3カ国の工場を含めると、全世界で800名もの規模になる。先日は創立15周年を祝ったのを機に創業者社長が会長に退き、会長の次男が二代目の社長を継いだ。そこから事態は急変する。

「うちの会社はいままで順調に伸びてきた。これは皆さんの協力を得ながらではあるが、常に時代の動きをとらえてきた先代社長の貢献が大きい。特に業務の一部を海外に移転するに際しては、環境の整わない状況で現地工場の立ち上げに多くの人に努力いただいた。あらためて感謝する」と、挨拶は卒がない。さすが、米国のビジネススクールを優秀な成績で卒業したと噂されるだけあって、社長になっても位負けしていない。大会議室に集まった全従業員は次の言葉を待っている。
「しかし、うちの会社を取り巻く環境は一段と厳しくなっている。外国為替相場で円がドルやユーロに対して強いことはご存じと思うが、海外輸出を手掛ける当社にとっては逆風で、輸出そのものが成り立たない」と言いながら、会長の方を垣間見る。
「これまで人件費の抑制をめざして海外展開を推進してきたが、これも見直す必要があるかもしれない。聖域なき経費削減として、社内のあらゆる部門でさまざまな見直しを実施することになる。ぜひ、協力してほしい」

社長の見直し方針は、社内の情報共有として定着しているJoinGearにも及んだ。
「情報共有に求められる要件を明確にし、継続か切り換えかを判断する」という社長方針のもと、新システム検討委員会が作られ、具体的な選定要件をまとめることになった。メンバーには現在のシステム要員だけではなく、当初からかかわってきた伊藤部長、本郷課長、それに桜井ひろみも入ることになった。社長からは3つの要件が示され、必要あればこれに委員会で追加するようにという指示である。

検討委員会で迅速な検討

委員会は精力的に活動を開始した。新社長のやる気が目に見える形で示せるとあって、社長から与えられた検討期間は2ヶ月しかない。この間にシステム要件を提示し、各社から提案を求める必要がある。もちろん提案だけでは使い勝手が分からない。実際に試して判断する期間も欠かせない。あっという間に1ヶ月が経過し、各社の提案内容が揃った。伊藤部長が委員長である。

「配布した資料に各社の比較をまとめてもらった。ざっと見てわかるとおり、大きな違いはない。皆さんの意見はどうだろうか」
すぐに千晴主任が手をあげた。若手のホープで思ったことをずけずけと言うタイプ。でも不思議と嫌われていない。
「利用者数が大幅に増えるとすれば初心者が増えることですから、操作方法が分かりやすくて簡単なことが大切です。このあと実際に使ってみるときには、初心者に向くだろうかという点を気にしてください」
「それと他社に切り替えるとなると、メールやライブラリデータの移行が必要となります。これまで蓄積した成果ですから、移行は無理でも外部媒体に出力できることは必須要件です。JoinGearでは可能ですが、他社はどうでしょうか」
「そうだね。他社に切り替えたとしても、また5年後の切り換えも考えておかなければいけないな」と委員長。
営業の最前線で活躍する本郷課長が続いた。
「最近あまり聞かないようですが、TCOが大切と言われた時期がありましたよね。新しいシステムの導入費用よりは、社員の再教育やシステムの維持管理費用の方がずっと大きいので、生涯コストという考え方をしなければいけない。ざっと、こんな話だったように覚えています。すると、切り換えによるマイナス面を考えると、新システムの採用には大きなメリットが必要となりませんか」
「賛成です」とひろみも積極的に発言する。
「これだけ社内に定着したシステムですから、足りない点は補いながらうまく効率化に結び付けています。他社システムを導入しても不満点は出てくるでしょうし、それを補う利用方法が生まれるまでは、どうしても非効率な状態が生じます」
伊藤部長がうなずく。
「それはまずいね。改革・改善を急がなければいけないこの時期に、単純に商品の機能差だけで情報共有のインフラを切り替えていたら、効率化に逆行する可能性がある。5年間の導入・運用の総コストだけではなく、切り換えによるコスト増加や、導入による改善効果を考慮することにしよう」
千晴主任が再び手をあげた。
「JoinGearでは、利用するブラウザの仕様要件が厳しくないので、スマートフォンなどからも利用ができます。社外からスケジュールなどが確認できてとても便利な面もあるのですが、セキュリティ強化という方針のもとでは、端末の盗難や紛失の対策も必要となってきませんか」
委員長に代わって本郷課長が答えた。
「たしかに、雑誌でも話題になっているよね。会社が貸与する端末なら、盗難や紛失時に端末そのものをリモートで使えなくできるサービスを利用できて安心だ。しかし、私物の端末を含めて管理するとなるとなかなか難しい。つい先日調べてもらったけど、インターネット回線も富士通にすれば、何とか方法はありそうだ」

「そろそろまとめようか」と委員長が立ち上がる。
「今日は、なかなか有意義だった。ベンダー各社の提案ではでてこないテーマが見つかってよかった。やはり自分たちのことは自分たちで考えなければ、選択を間違う。残り時間は少ないけれど、この3社のシステムを実際に使ってみて、使い勝手を確認してほしい。その際重要なことは3つ。現在のJoinGearで実感している便利さを他社商品で継続できるか。社員の立場で使い勝手を考え、個人的な好き嫌いで判断しないこと。重要な項目はCSV出力など外部媒体への出力方法があるか。これらを踏まえて、来週には皆さんの結論を聞きたいね」

ひろみは、三田のことを思い出していた。ホテルでランチは久しぶりと喜んで参加したら、三田には元気がなかった。担当部署が変わり今回の商談には参加できないとか。美味しいはずのデザートケーキがなぜか甘酸っぱかった。ふと見上げると、二羽のツバメが目の前を横切る。つがいだろうか、それとも親子かな。雲の切れ間から青空が少し見える。長い梅雨が明けるのもそう遠くはない。

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