ヤンマー株式会社様は、数年来の課題だった通信コストの大幅削減を解決するため、全社レベルのコミュニケーション基盤再構築に着手。全事業所のPBX(構内交換機)設備状況、電話回線の利用状況を詳細に分析し、事業所の従業員規模と設備状況に合わせたハイブリッド対応のコミュニケーション環境を導入。拡張性のあるコミュニケーション環境をサービスで実現すると共に、通信コスト削減も進めています。
[ 2012年11月6日掲載 ]
業種: | 製造販売業(農業機械、建設機械、船舶製品等) |
---|---|
導入サービス: | 統合コミュニケーションサービス |
導入期間: | 構築3カ月(2011年12月 本社稼働、現在他拠点順次展開中 ) |
1 | 組織変更や事務所移転などに柔軟に対応できるコミュニケーション環境にしたい | レイアウト変更にもスムーズに対応可能。また、サービス利用により、事務所にPBXを設置するのに比べ、運用や管理工数が削減。余力を新たな業務へ振り向けることが可能に | |
2 | グループ会社含め550事業所のうち120事業所にとどまっていた内線網を全事業所に広げたい | 内線通話のIP化、携帯電話のFMCサービス利用、PHS活用を組み合わせたハイブリット対応で各事業所のワークスタイルに合わせた内線網化を実現 | |
3 | コミュニケーション基盤を整備し、グローバル化に対応したワークスタイルにしたい | 音声だけでなく、さまざまなシステムとの連携が可能な統合コミュニケーションを導入し、グローバル対応が可能な新しいワークスタイル環境を整備 |
ヤンマー株式会社様は、産業用小型ディーゼルエンジン事業を主軸に、農業・漁業をはじめさまざまな産業分野へ商品・サービスを提供し、2012年、創業100周年を迎えました。そして、2014年12月に予定される新社屋ビルオープンのための本社ビル一時移転(2011年12月から)を機に、数年来の懸案だった通信環境の抜本的整備に着手しました。対象となったのは、設置後12年が経過し、かつ毎年の人事異動に対応する配線のレイアウト変更に約数千万円を要し、保守部品も不足気味となっていた本社PBX。そして国内のヤンマー本体とグループ会社約550事業所のうち、120事業所にとどまっていた内線網です。
西村 淳人氏
ヤンマー株式会社
総務部 部長
同社総務部 部長の西村淳人氏はこう述べています。「本社および各事業所のPBXをIP化することと、全事業所の内線網化を進めることで、相当の通信コスト削減が期待できました。同時に、さまざまなプロジェクトの立ち上げに伴う人事編成に、柔軟かつスピーディーに対応するコミュニケーション基盤を整備できると考えました」。
2010年、同社は本社ビル一時移転を機にプロジェクトに着手し、「全グループ約550事業所の内線網整備。総通信費の30パーセント削減」の目標をRFP(提案依頼書)にしっかりと明記しました。その経緯について、総務部 総務グループの太田光典氏はこう説明します。「内線化については社員から強い要望がありました。内線にすることでダイレクトに個人に連絡ができて効率的になるからとの理由です。また、数年前にFMCサービスの導入を検討した際、全グループで約5,500台に上る携帯電話の利用状況を把握し、大幅削減が可能な感触をつかんでいました」。
太田 光典氏
ヤンマー株式会社
総務部 総務グループ
また、ヤンマーグループの情報システムの設計・開発を担うヤンマー情報システムサービス株式会社IT推進部専任課長の田代浩司氏は、こう述べています。「グループでは長年、電話の音声系ネットワークは本社総務が、データ系ネットワークは弊社が管理し、それぞれ大変な回線費用がかかっていました。しかしICT技術が進み、音声とデータといった2つのネットワーク系を統合できるようになったため、本社総務とタッグを組めば30パーセント削減は可能と思われました」。
同社は、大手キャリアを中心にRFPを提示。提案内容を検討した結果、富士通のFENICSビジネスEthernetサービスを基盤にした統合コミュニケーションと、携帯キャリアの組み合わせによる音声・データネットワーク統合プロジェクト推進に決定しました。田代氏は採用理由をこう語っています。「当社では以前よりデータ系ネットワークとしてFENICSビジネスEthernetサービスを利用していましたので、キャリアベンダーのシステムによって一から構築するより工数面、コスト面でも有利と判断。同サービスの稼働率がほぼ100パーセントに近いサービスレベルとなっており、音声系データを乗せても高品質・高信頼性を期待できる点を高く評価しました」。また太田氏はこう述べています。
田代 浩司氏
ヤンマー情報システムサービス株式会社
IT推進部 専任課長
「富士通の提案はオンプレミスではなくデータセンターに構築した設備をサービスとして利用するスタイルでした。一方、キャリアベンダーからもさまざまな面で魅力的な提案がありましたが、当社では拡張性の高い統合コミュニケーションサービスでの導入が適していると判断しました。サービスで導入したことにより、運用や管理への工数を減らすことができたので、その工数を別の業務へ振り向けられるようになりました」。
内線網の整備にあたって同社は、今まで利用していた機器をできるだけ流用するとの方針が採られました。その点、PHSや各拠点にあるPBXをそのまま利用できる富士通の統合コミュニケーションは、同方針にうまく合致しています。
導入は事業所規模などに応じた内容となりました。本社および主要拠点は統合コミュニケーションサービスに直接内線接続。200人以下のPBX設置拠点については既存のPBXをそのまま利用し、統合コミュニケーションサービスにゲートウェイで収容することで、事業所内の運用は変更せず、ほかの事業所と接続。そして、少人数規模の拠点はFMC携帯電話サービスを利用して内線化しました。
約500事業所を3グループに分けて音声データ統合を進めるプロジェクトは、現在も進行中です。「今のところシミュレーション結果と実績とのブレは、ほとんどありません。年間約4億6,000万円だったグループ全体の通信コストの30パーセント、1億3千数百万の削減はねらい通り達成されるでしょう。当社社員の携帯電話から直接社内の話をしたい相手の内線に繋がる、また、固定電話にかかってきた通話をFMCサービス利用により社員の携帯電話に転送可能になったことで、電話の取り次ぎ業務が大幅に軽減され、業務の効率化が実現しました」(太田氏)。
利用風景
今後の展開について同氏は次のように語っています。「今回のプロジェクトの次のステージとして、例えばスマートフォンを使った会議の実現など、多様なワークスタイルに柔軟に対応できるコミュニケーション基盤も視野に入っています。また、海外拠点の展開もコストパフォーマンスを考えながら実現したいと思います。最近、当社の社風は社員の意見を取り入れていくボトムアップ体質に変わりつつあります。この流れに乗って、新しい取り組みにも積極的にチャレンジしていきたいと考えています」。
富士通は、お客様の抱えている課題に対し、ネットワークサービス、コミュニケーション基盤をワンストップでサポートすることで企業競争力アップを支援してまいります。
濱田 正幸
株式会社富士通エフサス 西日本本部
関西支社 産業ビジネス部
ヤンマー様は長年FENICSをご利用いただいているお客様です。
今回、音声とデータのネットワークへの統合によるワークスタイルの変革、運用コスト削減、そして今後のグローバル展開を見据えた、次期音声システムとして、「統合コミュニケーションサービス」を提案し、ご採用いただきました。
今後も、他のコミュニケーションツールとの連携や海外展開を視野に入れたヤンマー様にとって最適なご提案を続け、お客様のビジネス拡大に貢献できるよう頑張って参ります。
代表取締役社長 | 山岡 健人 氏 |
---|---|
所在地 | 〒530-8311 大阪市北区鶴野町1-9 梅田ゲートタワー |
創業 | 1912(明治45)年3月 |
資本金 | 63億円 |
社員数 | 3,329人(2012年3月31日現在) |
事業概要 | 農業機械、建設機械、船舶製品、発電機、産業用エンジンの製造販売 |
ホームページ | ヤンマー株式会社 |
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。