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導入事例 株式会社富士通アドバンストソリューションズ様

災害時の迅速な安否確認を、携帯電話メールで実現

[2005年2月25日 掲載]

銀行や通信会社など、社会基盤を支える企業をお客様に持つ富士通アドバンストソリューションズ様(以下、FASOL様という)では、災害時の迅速な対応のために、従業員の安否確認システムを比較・検討。そこで採用されたのが、携帯電話のEメール機能を利用した、富士通のASPサービスである「安否確認サービス」でした。

目次
導入の背景 「従業員の安否確認に1週間費やした」という、グループ会社での震災体験
システムインテグレーターであるFASOL様にとって、災害時の迅速な対応は会社の使命。阪神淡路大震災で、安否確認に膨大な時間と労力を割いたというグループ会社の体験は、大きな教訓となった。
サービス選択の理由 安定性・省力化・信頼性・低コストが選択の決め手に
震災後、災害対策の重要性を痛感したFASOL様では、複数の安否確認システムを比較・検討。通信の安定性、情報管理機能、災害時にも確実に稼動する信頼性、初期コストなどが選択の鍵だった。
導入の効果と今後の展望 安否確認メール発信後、3時間で約7割の返信率を実現
従業員のメールアドレス登録率は9割強。災害訓練でも安否確認メールへの返信率は高く、災害時における本サービスの有用性を裏付ける結果となった。

導入の背景

「従業員の安否確認に1週間費やした」という、グループ会社での震災体験

富士 仁
株式会社富士通アドバンストソリューションズ
事業推進本部長代理
兼 総務部長
兼 人材開発室担当部長

株式会社富士通アドバンストソリューションズ様(以下、FASOL様という)は、富士通グループの一翼を担うソフト・サービス企業です。金融・公共・キャリアといった事業分野のお客様に対し、システムインテグレーション・コンサルティング等のサービスを提供しています。

「当社のお客様は、銀行・官公庁・通信会社・保険会社など、社会基盤を支える業種が中心です。災害などでお客様のシステムがダメージを受けた場合、一刻も早く要員を派遣して復旧を図り、社会生活への影響を最小限に抑えることが、当社の使命であると考えています。そのためには、災害時に我々管理部門が迅速に従業員の安否を確認し、その情報を基に経営のトップが迅速に意思決定を行うことが必要です。」

緊急時の連絡網として、最も一般的に利用されているのは電話です。しかし大災害の発生時、電話は発信規制や輻輳(注1)により通じにくくなる可能性が大です。また、電話確認した安否情報を1つに集めて表などに整理し、その情報を共有化するという作業には、時間も手間もかかります。特にFASOL様の場合、約1,300人の従業員のうち約600名が、北海道から山口県まで、105ヶ所のお客様先に常駐。従業員が全国に点在していることも、安否確認を難しくしている要因の1つでしょう。

「災害対策を見直すきっかけとなったのは、1995年の阪神淡路大震災でした。当時、私は富士通の沼津工場にいたのですが、神戸や六甲など阪神地区の事務所には、あるグループ会社の従業員が計600人ほどおり、その安否確認に膨大な時間と労力がかかったと聞いています。その頃はまだ、阪神地区は地震が起きにくいという思い込みがあり、災害対策が甘かったところに、あの大震災です。停電する、電話は通じない、ネットワークはもちろん駄目、交通手段もないという状況。しかも事務所の中には、ビルの一帯が危険なため、立ち入り禁止になってしまったところもあったんです。何度も事務所に電話してくれた従業員もいたようですが、やっと通じたのに受ける人が誰もいない、という状況だったようです。」

「安否確認は、もう人海戦術しかありませんでした。阪神地区では、まず幹部社員たちが自転車で避難所を1件1件回り、従業員の所在と状況を自分の目で確認していったんですね。また、災害時には公衆電話がつながりやすいと聞いていたので、沼津工場の敷地内に設置していた複数台の公衆電話で、従業員名簿を基に、ともかく電話をかけまくりました。必死でがんばったのですが、全員の安否確認までに約1週間もかかってしまったのです。」

サービス選択の理由

安定性・省力化・信頼性・低コストが選択の決め手に

グループ会社における震災時の苦い経験は、FASOL様にとっても大きな教訓となり、震災以降は災害対策マニュアルの作成などを進めてきました。そして2003年春、宮城沖の地震により富士通の事務所でも被害が出たことから、グループ全体で災害対策のさらなる見直しが進行。FASOL様では同年夏頃から、数社の安否確認システムの詳細な比較・検討を開始しました。その結果、災害時には従業員の携帯電話宛てに安否確認のEメールが一斉送信され、その返信メールによって安否を把握する、という富士通の安否確認サービスの導入を決定します。選択の理由は、次の4点でした。

通信の安定性と、操作の簡便性

音声通話やWebサイト(インターネット)を利用した安否確認システムも、数社から提供されています。しかし、音声通話は災害時に発信規制がかかって通じにくくなる可能性が大です。またWebサイトへのアクセスも、災害時にパソコンが近くにあるとは限らない、停電すると利用できないといった問題があります。
富士通の安否確認サービスは、災害時でも輻輳の影響を受けにくい、携帯電話のEメール機能を利用しています。従業員は、自分の携帯電話に送られてきた安否確認メールに返信するだけで、会社に安否を連絡できます。安定した通信手段を利用しており、どこででも使えて簡便性も高いという点は、本サービス最大の特長です。

情報管理作業の省力化

音声通話を利用した安否確認システムの場合、管理者が従業員からの通話や伝言を聞き、情報を整理してデータ化する、といった作業が必要になります。
富士通の安否確認サービスでは、従業員からの安否確認メールの返信状況を、自動的に一覧表にして提供します。時間も手間もかからずに、常に最新の情報を一元管理できることは、迅速な情報共有を可能にします。

サービスの信頼性

災害時に確実に稼動する、という信頼性は、安否確認システムの必須条件です。
富士通の安否確認サービスは、災害に対して堅牢なファシリティを備えた、富士通システムセンタのサーバを利用しています。お客様の会社が被災しても、システムセンタは通常通り稼動し続けてサービスを提供します。

低コスト

自前でサーバを立てる必要がある、特定の端末でしか利用できない、といった条件の場合、導入時に初期コストがかかります。
富士通の安否確認サービスは、ASP(注2)サービスの上、Eメール機能のある携帯電話・PHSであればキャリアに関わらず利用できるため、導入時のコストを抑えることが可能です。

「このサービスでは、管理者が特定のアドレス宛にメールを送信すると、それを引き金として従業員への安否確認メールが一斉発信されます。この引き金となるメールは、パソコンだけでなく携帯電話からでも発信できるんですね。災害は、夜間や休日でも発生しますし、そのとき災害対策の管理者が会社にいるとは限りませんから、これは大きなメリットだと思います。従業員からの返信状況が一元管理されており、管理者はパソコンでも携帯電話でも各人の安否を確認できる、という点も高く評価しています。」

導入の効果と今後の展望

安否確認メール発信後、3時間で約7割の返信率を実現

FASOL様における富士通の安否確認システムの稼動開始は、2004年6月。2004年9月現在、従業員の所有する携帯電話・PHS・PCのEメールアドレスの登録率は、全社員数の9割以上を占めています。「個人のアドレスですから、もちろん強制登録ではありません。ただ、従業員は皆、社会基盤となるシステムを支えているという使命感を持っていますから、アドレス登録にも高い意識で応じてくれました。それが、9割という登録率に結びついたのだと思います。未登録の従業員については、音声電話による連絡を確約してもらうなど、別の安否確認手段を講じています。」

FASOL様では2004年9月1日に災害対策訓練を実施。8時15分に、災害管理者が自分の携帯電話から安否確認メールを発信しました。従業員からの返信率は、発信後1時間で約4割、3時間で約7割という状況であり、これは迅速な人員配備や復旧対策に有効な数値だと考えられます。

「当社では、災害対策マニュアルの整備と配布、備蓄品の確保、停電時にも使えるアナログ電話回線の確保など、災害対策をトータルに行なっています。安否確認は、こういった対策の中でも、特に重要なものだと認識しています。今後、別手段で確認を取った人々の情報をマージして共有化する機能が充実すると、さらに迅速に安否確認が進められると思います。」

こうしたご要望にお応えし、富士通では情報管理機能の向上を含めて、安否確認サービスの充実と拡張を目指し努力してまいります。

携帯電話メールによる安否確認のシステム

システム構成図:株式会社富士通アドバンストソリューションズ様

イラストの番号の詳細画面を見ることができます。(新しいウィンドウで表示)

  1. 安否確認メール発信 携帯電話、パソコン
  2. 安否確認メール受信
  3. メール返信
  4. 安否一覧参照 携帯電話、パソコン

【会社概要】

株式会社富士通アドバンストソリューションズ様

FUJITSU ADVANCED SOLUTIONS LIMITED

  • 設立:1982年8月20日
  • 資本金:7億円(富士通株式会社100%出資)
  • 代表者:代表取締役社長 広西 光一
  • 従業員:1,305名(2004年9月末)
  • 事業内容:コンサルティング事業・システムインテグレーション事業・パッケージソフト事業・インターネット/アウトソーシング事業・システム機器/ソフトプロダクト販売事業分野
  • 事業分野:金融(銀行・証券・保険・農林水産・ノンバンク 等)、公共(官公庁・特殊法人・文教・科学/研究機関 等)、キャリア(NTTグループ・NCC 等)
  • URL:富士通アドバンストソリューションズ ホームページ

【お問い合わせ】

用語解説

注1: 輻輳(ふくそう)
ネットワーク(回線、交換機など)のトラフィックが集中、増加して、有効な通信ができにくくなる状況をいいます。たとえば、災害発生時に電話をしても話をしたい相手につながりにくくなるのは、電話局の交換機にて処理能力内で動作できるよう輻輳制御を行うためです。
注2: ASP
Application Service Providerの略称。インターネット経由で、業務ソフトなどのアプリケーションを提供するサービス。インターネットに接続できる環境とWebブラウザがあればアプリケーションを利用できるため、企業のコスト削減手段として注目されている。