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きめ細かいリモートアクセス制御でセキュリティを向上
複雑な運用も管理者専用Webにより負荷を軽減

鹿島建設株式会社様 本社の外観写真

鹿島建設株式会社様 導入事例


超高層ビルやダムなどの大規模建設プロジェクトを世界各地で同時進行させている大手ゼネコンの鹿島建設株式会社様(以下、鹿島)にとって、各拠点を渡り歩く社員に、いつでも・どこからでも必要なデータを利用させることができるリモートアクセスサービスは、業務上不可欠なものとなっています。今般、リモートアクセス基盤を全面刷新することで、情報セキュリティのさらなる向上と、複雑・煩雑になりがちな利用者管理業務の軽減を実現しました。

[ 2014年10月7日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 建設業
導入サービス: FUJITSU Managed Infrastructure Service FENICSⅡ ユニバーサルコネクト
導入期間: 約3カ月
【課題と効果】
1 単一のアクセス制限機能しか無かったため、人ごとのきめ細やかな制限をかけることができない IDごとのきめ細やかなアクセス制御や、ログチェック機能の拡充により、セキュリティが大幅に向上
2 IDの発行作業をすべてサービスベンダーに依頼しているため、タイムリーな対応ができていない IDの有効・無効を管理者専用Webインターフェースによって迅速に実施可能
3 通信量の増大に伴い、さらなる速度向上を望む声が多い 通信速度の高速化、かつ将来も視野に入れた次期課題への早期取り組み

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導入の背景と経緯

大型プロジェクトの実現に不可欠な情報連携

業界の盟主として知られる鹿島は、1840(天保11)年の創業から数えて170年余の歴史を有しています。創業期、明治の文明開化の時期においては西洋館建築技法で新式の建物を次々に施工。やがて鉄道建設の機運に応え鉄道敷設の分野に転進しました。戦前においては、水力発電、港湾、上下水道、河川、道路などの土木工事、戦後においては巨大ダム建設、東京五輪開催に合わせた交通インフラ工事、超高層ビル建築、そして平成においては姫路城や東京駅丸の内駅舎などの歴史的建造物を後世に残すプロジェクトや、省エネ性能を極めた超環境配慮型のビルの提案などを手がけています。

活躍のフィールドも国内各地に加え、北米、アジア、ヨーロッパの各地域に拡がりをみせており、常に数多くの建設プロジェクトが進行している同社にとって、各拠点と本社間との情報連携は非常に重要です。

複数ベンダーの統合がきっかけ

2012年12月、同社でネットワークの設計・構築・運用を担うITソリューション部は、社外や海外から同社にセキュアにアクセスするためのサービス更新について検討を開始しました。

従来のアクセス手段は、国内の出向先、出張先などからアクセスする、キャリアが構築した閉域網と、海外出張者約900人に対して、インターネットを介して社内に接続するためのインターネットVPNを提供していました。

鹿島の ITソリューション部 情報基盤グループ グループ長の角川友隆氏は、サービス更新の主な理由をこう述べています。「閉域網については通信カードの製造終了を、またインターネットVPNは保守終了を迎えていました。これらの接続方法はそれぞれ別のベンダーによって提供されていたため、運用が煩雑でした。今回これを1社に統合し、セキュリティをさらに向上させることにしたのです」。

鹿島建設株式会社 ITソリューション部 情報基盤グループ グループ長 角川 友隆 氏の写真
角川 友隆
鹿島建設株式会社
ITソリューション部 情報基盤グループ グループ長

セキュリティと運用の課題

角川氏はさらにこう述べています。「ネットワークへのアクセス手段には、多重のセキュリティ対策が必要となっています。従来の閉域網についていえば通信カードさえあれば、インターネットVPNにおいてはIDとパスワードさえ入力すれば、誰でも本社につながる状況でした。また、ベンダーに依頼後2~3週間かかっていたライセンス追加やフィルタリング設定も、急な海外出張に対応するためには、自社で行う必要があったのです」。

導入のポイント

管理者専用Webによるサービス運用・ユーザー管理を採用

2012年12月、同社は富士通のリモートアクセスサービス「FENICSⅡ ユニバーサルコネクト」の導入を決定。角川氏は採用の理由をこう述べています。「Webインターフェースの管理者ダッシュボードを利用することで、当社自身によるきめ細かいアクセス制御が可能になる点を高く評価しました。例えばPC固有の情報、接続時間帯、接続サーバIPアドレスやポート番号、さらには回線や端末の種別などによってアクセスを制御できるのです」。また自社で行うことになるサービス運用業務、ユーザー管理業務については、「閉域網とインターネットVPNのIDが統合されるため、いつ誰がサービスを利用しているかのチェックが容易になります。端末を紛失したIDのロック・解除なども行えるため、業務負荷はむしろ以前より軽減すると判断しました」と述べています。

鹿島建設株式会社様における本サービスの導入効果を示した図です。別々のベンダーによって提供されていた国内の出向先、出張先などからアクセスする閉域網と、海外出張者が利用するインターネットVPNを統合することで、セキュリティを強化するとともに運用負荷軽減を実現しました。

導入効果と今後の展開

より高いセキュリティと操作性の向上を両立

サービス切り替えは2013年6月、まず閉域網について施行。各拠点のIT担当者による検証、さらに同年8月から12月の並行期間を経て2014年1月に全面切り替えを完了。そしてインターネットVPNは2013年8月より海外拠点での部内検証、並行期間を経て2014年3月に全面切り替えを完了しました。

鹿島建設株式会社 ITソリューション部 企画管理グループ 山本 潤 氏の写真
山本 潤
鹿島建設株式会社
ITソリューション部 企画管理グループ

ITソリューション部 企画管理グループの山本潤氏は、管理者の立場からみた導入効果についてこう述べています。「アクセス制御においては、クライアント用ソフト『FENICSコネクト』の役割も大きいです。セキュリティは強化され、使いやすさはユーザーにも評価されています」。また角川氏はこう述べています。「リモートアクセス環境統合の効果は、年間運用コストで数千万円の削減という効果として現れています。ここに至るまでには、移行に伴う業務の中断ゼロなど困難なハードルを乗り越えなければなりませんでした。定例のプロジェクト会議に富士通の専門チームが参加し、当社の業務特性、課題、問題への対応を深いレベルで理解し、ネットワーク設計に落としこんでいただくことで達成できたと考えています」。

スタートした次期通信対応の検証

同社はすでに、次期通信によるサービス導入をスタートさせています。このプロジェクトに関わるITソリューション部 情報基盤グループの真田祐希氏は、こう語っています。「現場のユーザーからは、『接続が途切れた場合なども素早く再接続され、アクセス時のストレスが減った』『通信速度アップを実感している』などの声も聞かれますが、最近では『より速く』との声も高まっています。その背景には、3次元CADデータの増大や、クラウドサービスによる潮流があると思います。富士通には次期通信プロジェクトの中で次々に出てくる課題に対しても、素早く対応していただき、心強く思っています」。

鹿島建設株式会社 ITソリューション部 情報基盤グループ 真田 祐希 氏の写真
真田 祐希
鹿島建設株式会社
ITソリューション部 情報基盤グループ

富士通は、先進のリモートアクセス技術により、鹿島建設株式会社様のワークスタイル環境の向上をサポートしてまいります。

鹿島建設株式会社の皆様の写真 左から 山本氏、角川氏、真田氏
写真左から 山本潤氏、角川友隆氏、真田祐希氏

【鹿島建設株式会社様 会社概要】
所在地 〒107-8388 東京都港区元赤坂1-3-1
代表者 代表取締役社長 中村 満義
設立 1930年(昭和5年)
従業員数 7,657名(2014年3月末現在)
事業内容 建設事業、開発事業、設計・エンジニアリング事業ほか
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