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  5. 富士通と日本オラクルの共同検証報告

    
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   3.5 考察

1)負荷分散方式と一意性保証

   サーバの負荷分散方式や一意性保証に関してはシステムやアプリケーション種別に依存します。
   一意性保証はシステム構成に左右されます。 ステートレスなWEBアプリケーションではセッション情報を保持するために、通常リクエストを送るクライアントと、リクエストを処理するAPサーバが一対一対応の関係にある(一意性が保証される)必要があります。 本構成の3階層モデルにおいては、DBのトランザクションを保証するためにAPサーバとクライント間で一意性保証を行う必要がありますが、WEBサーバのOracle HTTP Server はAPサーバがクライアントに設定したCookieの値を元に、クライアントからのリクエストをAPサーバに一意性保って割り振ります。 そのためクライントのリクエストがどのWEBサーバに割り振られても問題がなく、WEBサーバとクライアント間のIPCOM S2200では一意性保証を行う必要がありません。

次に、負荷分散方式ですが、WEBサーバとクライアント間は一意性保証を行うこともなく、WEBサーバ構成が均一な検証構成においては、IPCOM S2200のWEBサーバに対する負荷分散として、単純で高速なラウンドロビン方式がよいといえます。 OracleApplication Server 10gのWEBサーバであるOracle HTTPServerがAPサーバにリクエストを割り振る負荷分散の方式としても同様に、各APサーバのハードウェアや実行されるアプリケーションが均一で、WEBクライアントからのリクエストが偏りなくコンスタントに発生するような条件であれば、リクエストの処理時間のばらつきの少ないラウンドロビン方式がよいといえます。

サーバのパフォーマンス差やパケットの大きさ・ばらつきにより、負荷分散の方式を選ぶ必要がありますが、もし、よい方法が導きだせない場合は、まず、ラウンドロビン方式で導入を行い、運用前の検証または運用中に監視を行いながら、サーバ負荷や処理時間にばらつきが多いようなら、最小コネクション方式などの別の方式に変更したほうがよいといえるでしょう。


図3-5. 負荷分散方式と一意性保証