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M2Mクラウドを活用した遠隔監視で
エンドユーザー個々のニーズに対応した保守管理サービスを提供

ニシム電子工業株式会社様 外観写真

ニシム電子工業株式会社様 導入事例


機械製品の遠隔保守管理サービスは、正常運転の確認から機能低下や故障の予兆をキャッチし未然に対策を講じるサービスへと進化しています。監視制御システムの事業分野で遠隔保守管理サービスの実績を積むニシム電子工業株式会社様は、さらに進んだサービス形態として、付加価値の高い保守管理を、手軽にそしてスピーディーに提供する環境を構築。柔軟な運用性と高いセキュリティ、ワンストップサポートを備えたM2Mが、保守管理サービスの世界を変え始めています。

[ 2013年2月19日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 製造業(電源装置、通信機器、遠隔監視制御装置)
導入サービス: FENICS Ⅱ M2Mサービス注1
構築期間: 3ヵ月
採用のポイント: グローバル展開するワイヤレスネットワーク。多様な通信機器のインターフェース、データ転送規格に対応。
【課題と効果】
1 お客様個々に、スクラッチ構築していた遠隔監視制御システムのコスト・工数を抑えたい データ収集、データ構築、ネットワーク通信など、アプリケーションより下層のレイヤーを共通プラットフォーム化できるM2Mを利用し、コストと工数を低減。アプリケーションの作り込みに集中することでエンドユーザーの満足度も上がった
2 お客様の海外展開にスピーディーに追従し、遠隔監視制御サービスを提供したい お客様先のエンドユーザーに接続する通信機器、ワイヤレス回線までをワンストップでグローバルに提供するネットワーク基盤を利用し、グローバル展開するお客様にも対応

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導入の背景

先取の技術で新たなビジネスを創出するエンジニアリング・サービス企業

ニシム電子工業様は、1963年の創業以来、九州電力グループの一員として、多様な技術と豊富な経験を生かし、総合エンジニアリング・サービス企業としてお客さまに最適なICT環境を提供。とりわけ電子通信、監視制御の事業分野に力を入れてきました。成長の源泉は、常に科学技術の発展・進歩の潮流を先取りするところにあります。

同社 ネットワーク技術本部ネットワーク技術開発部長の諫山精二氏はこう述べています。「電力システム、ビル管理システム等の設備遠隔監視については、新たなビジネスにつながるサービスとして着目してきました。設備が正常に運転されているかの運用状態確認から一歩進め、機器の経年変化や故障の予兆を検知できるものに進化させれば、そこに大きな付加価値を創出できるからです」。また諫山氏は、サービスの進化にはシステム構築の手法を思い切ってシンプルにする必要があると語っています。「これまでの手法は、お客様ごとにゼロから監視システムを構築し、スタンドアローンで運用してきました。これでは工数、コストがかさみます。各システムの共通部分を見きわめて、統合できればよいと考えました」。

ニシム電子工業株式会社 ネットワーク技術本部 ネットワーク技術開発部長 諫山 精二 氏の写真
諫山 精二
ニシム電子工業株式会社 ネットワーク技術本部 ネットワーク技術開発部長

アプリケーションの完成度向上にSE力を集中させたい

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大薮 隆樹
ニシム電子工業株式会社 ネットワーク技術本部 ネットワーク技術開発部 ICTソリューショングループ

同社が着目したのは、機器類に通信機器を接続しワイヤレス回線を経由して監視制御するM2Mサービスでした。同社 ネットワーク技術本部ネットワーク技術開発部 ICTソリューショングループの大薮隆樹氏はこう語っています。「M2Mに求められたのは、第1にシステム構成の自由度が高く運用が容易であることです。遠隔監視の制御では、機器のデータを収集し、送信し、データベース化する部分は共通。その上位レイヤーに載るアプリケーションをお客様の要求に合わせて作り込むわけですが、そこに当社SEのパワーを集中させていきます。そして第2にシステムをスピーディーに構築できること。お客様は機器納入先のエンドユーザーのニーズに応じて、素早く安価な遠隔監視制御システムを提供したいわけですから」。

採用のポイント

国内外を問わず利用できるネットワークサービスは富士通が唯一

同社は、各システムの共通部分をクラウドで用意しておいて、多くのお客様の個々のニーズに合わせた上位レイヤー部分を素早く安価に構築できる点を考慮。クラウド基盤と連携したネットワークサービス、M2Mの導入を決定。ベンダー各社のM2Mを検討し、最終的に富士通のFENICS Ⅱ M2Mサービスを採用。諫山氏はその理由をこう述べています。「ワイヤレスネットワークインフラをグローバルに提供しているのは富士通さんだけでした。お客様が海外のエンドユーザーに遠隔監視制御システムを導入する場合、様々な国のネットワーク環境に迅速に対応する必要がありますから、当初よりFENICS Ⅱ M2Mサービスは有力候補でした。セキュリティが確保された閉域ネットワークである点も高く評価しました」。

また同社ネットワーク技術本部 ネットワーク技術開発部 ネットワーク技術開発第1グループの高野純護氏はこう説明します。「世界的に見ますと、お客様の機器に搭載する通信機器のインターフェース、データ転送方法などの規格は多様で、いまだ統一されていません。これら一つひとつに対応するのは技術的、コスト的に大変です。富士通さんはこうした規格対応がしっかりしているので安心できました。また下位レイヤーに少し手を加えたい場合などにも気軽に問い合わせができ、しっかりサポートいただけることが分かったので、迷うことなくFENICS Ⅱ M2Mサービスを採用しました」。

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高野 純護
ニシム電子工業株式会社 ネットワーク技術本部 ネットワーク技術開発部 ネットワーク技術開発第1グループ

システムの概要

世界展開で成長するポンプ機器メーカーでトライアル

2012年12月、同社はFENICS Ⅱ M2Mサービスを基盤とした遠隔監視制御システムを「FAデータストレージサービス」として提供。その第1号ユーザー、本多機工株式会社様においてトライアル運用を開始しました。同社は、国内はもちろん世界50ヵ国以上の電力会社、製鉄・製鋼、石油・化学、製紙、医薬、自動車、機械等のメーカーに産業用ポンプを製造・販売することで知られるメーカー。

「本多機工様は、マイクロナノバブルポンプ開発製造で国の『ものづくり日本大賞』を受賞するなど、日本を代表するポンプメーカーとして知られ、オンリーワン製品の開発製造に全力を挙げています。『優れたポンプを提供するだけにとどまらず、納入先ユーザー様の製品に対する一歩進んだ保守管理をご提供したい』とのお考えを、当社のICTパワーで具現化させていただこうとご協力いただくことになったのです」(諫山氏)。

お客様満足度の高いアプリケーションの作り込みに集中

本多機工様における遠隔監視制御システムは、ポンプ軸受部の温度センシングからスタート。今後、振動のデータ収集など一つひとつ要素を増やしながら、ニーズに合致したシステムに着実に近づけていくことになるといいます。諫山氏は、開発の力点についてこう語っています。「ポンプ機器の技術に詳しい方々だけでなく、オフィスワーカーや営業の方々の発想をヒアリングし取り入れていこうと考えています。そうすることで本多機工製品のエンドユーザー様が、例えば『かゆいところに手が届く遠隔保守管理だな』と感じる内容、タイミングのサービスを提供できるシステムになるのではと思うからです。そのためにもアプリケーションのレイヤーを充実させたい。FENICS Ⅱ M2Mサービスの使いやすさを最大限に利用すれば、それが可能なのです」。

ニシム電子工業様のシステム概要図です。FAデータストレージサービスは、増え続ける電源設備や太陽光発電設備、環境計測器などの設備運転情報や温度情報など様々なデータをネットワーク経由でクラウド環境に蓄積し、アプリケーションと連携することで、従来は「現地でしか分からなかった」あるいは「トラブル後にしか分からなかった」設備の状況をお客様自身が遠隔地からリアルタイムに把握し、効率的な保守対応を可能にするサービスです。

今後の展望

クラウド上に蓄積されるビッグデータの利活用を視野に

同社はまた、ポンプ機器など現在稼働中の機器類のデータを収集し監視する技術の横展開として、太陽光発電など再生可能エネルギー機器への遠隔監視制御システム販売にも力を入れていくといいます。そしてさらに、機器類を対象としたサービス提供の延長線上に、ビッグデータ、データマイニング技術を利用するサービス事業の構想も描いています。

「当面、遠隔監視制御システムによって収集されるデータはお客様ごとにクローズした状態で、当該のお客様だけに運用されていくでしょう。しかし近い将来、例えば気象サービス会社と再生可能エネルギー供給会社、アパレルメーカーがそれぞれのデータを共有・活用し、新たなビジネスを創出するといった時代が到来するでしょう。そこでは、クラウド上に蓄積したビッグデータから有用なデータをマイニングする技術が求められます。データは利活用いかんで、じつに多様なビジネスを創出できると確信しています」(諫山氏)。

富士通はお客様とともに、M2Mサービスの未来を切り拓いてまいります。

ニシム電子工業株式会社の皆様

営業からの一言

エネルギー営業統括部 九州エネルギー営業部 高田 憲治の写真
高田 憲治
エネルギー営業統括部 九州エネルギー営業部

ニシム電子工業様が得意とされるネットワーク、監視制御分野の発展系となります「FAデータストレージサービス」に、弊社FENICS Ⅱ M2M基盤をご採用いただき大変光栄に思っております。

ニシム電子工業様とは九州地区におけるビジネスパートナーとして長年ネットワーク、システム監視商談を推進してまいりました。従来のビジネスに加え、今後は本サービスをキーとした更なる新規ビジネス領域の拡大・ビジネスモデルの拡充に取り組んでまいります。

【ニシム電子工業株式会社様 会社概要】
代表取締役社長 梨田 一海 氏
本社所在地 〒812-8539 福岡市博多区美野島一丁目2番1号
創立 1963年(昭和38年)11月1日
資本金 3億円
従業員数 809名(2012年4月現在)
事業概要 電気通信機器、電気機器の開発、製造、販売及び保守。電気通信工事、電気工事、鋼構造物工事及び建築一式工事の調査、設計及び施工。情報通信ネットワークシステムを活用した情報配信収集サービスの提供。
ニシム電子工業株式会社様のロゴ
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【ご紹介したサービス】

【導入事例(PDF版)】

用語解説

注1: M2M
M2M(エムツーエム、Machine-to-Machineの略)とは、ネットワークに繋がれた機械同士または機械と情報システムが、人間を介在せずに相互に情報交換し、自動的に最適な制御が行われるシステムです。

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