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全国1,000店舗でスマートデバイスを活用
~安定した無線LANでオーダー業務の効率化を支える~

株式会社サイゼリヤ様 日本橋浜町店の外観写真

株式会社サイゼリヤ様 導入事例


カジュアルイタリアンレストランを展開する株式会社サイゼリヤ様は、コスト削減とスタッフの負荷軽減を目的に無線LAN環境をベースとするオーダリングシステムに刷新しました。当初、コンシューマー向け無線LANアクセスポイントを利用し店舗でテストを行ったところ、トラブルが多発。同社は課題の早期解決を図るべく富士通の製品を採用しました。企業で豊富な実績を持つ高信頼の無線LANアクセスポイントとネットワーク技術力で、店舗で発生する様々な事象を回避し、全国1,000店舗以上に安定した無線LAN環境の構築を実現しています。

[ 2015年7月21日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 外食業
導入製品: 高セキュリティ/高信頼無線LANソリューションFUJITSU Network SR-M
【課題と効果】
1 環境の異なる店舗で発生する様々な事象に対応した対策を講じたい 富士通の無線LANアクセスポイントとネットワーク技術により店舗で発生する様々な事象を回避。全国店舗への展開を可能にした
2 全国1,000店舗に安定した無線LAN環境を構築したい ショッピングセンター内や地下の店舗に適した無線LAN環境を構築するために、お客様専用にカスタマイズ。
安定した無線LAN環境で全国1,000店舗の業務を支える
3 スマートフォン感覚のオーダー端末でスタッフの負荷を軽減したい 安定した無線LAN環境のもと、スマートフォン感覚のオーダー端末を導入し、初めてのスタッフでもすぐに利用可能に。また専用オーダー端末に比べコストを大幅に削減

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導入の背景

全国1,000店舗に無線LAN環境を導入しオーダリングシステムを刷新

1967年、小さな洋食屋からスタートしたサイゼリヤ様は、1973年にカジュアルイタリアンレストランに転身して以来、チェーン展開を積極的に図り、現在では全国1,000店舗以上、海外230店舗を有する外食業のリーディングカンパニーに成長しました。2010年には当時の日本の人口約1億2,800万人を同社の年間来客数が突破。「イタリア式の健康的で豊かな食事をリーズナブルな価格で愉しめる」。同社が提案する食のスタイルが暮らしに定着してきたマイルストーンとなりました。おいしさと低価格の両立を支えているのが、商品開発から食材の生産、加工、配送までを一貫して行う自社製造直販の仕組みです。また生産性の向上に取り組み、外食業の産業化を推進しています。

「日々の価値ある食事の提案と挑戦」。同社の経営理念を実現していくうえでICTは不可欠です。「当社の情報システム部は、自社製造直販システム、店舗システム、ICTインフラの大きく3つの領域を担っています。重視しているのは、利用者がいつでも使いたいときに使える情報サービスの提供です。また経営理念にある挑戦する姿勢はICTにも求められます。今回、iPod touchを活用したオーダリングシステムの導入では、業界でも例のない全国1,000店舗以上に無線LAN環境を導入しました。無線LAN環境はいまでこそ店舗になくてはならないICTインフラですが、当初は多発するトラブルに翻弄されていました」と、情報システム部 部長 坪井哲也氏は話します。

株式会社サイゼリヤ 情報システム部 部長 坪井 哲也 氏の写真
坪井 哲也
株式会社サイゼリヤ
情報システム部 部長

導入の経緯

コンシューマー向け無線LANアクセスポイントのもとでトラブルが多発

専用オーダー端末を使った既存システムのリプレースに伴い、iPod touchを活用した新オーダリングシステムを導入する目的は大きく2つありました。1つが、導入コストや運用コストの削減です。そしてもう1つが、店舗スタッフの負荷軽減です。

「既存の専用オーダー端末は覚えることが多く店舗スタッフに習得のための負荷がかかり、現場で端末を使って業務が行えるまでに時間を要しました。当社の店舗スタッフは10代後半から20代前半が中心です。日常生活で使っているスマートフォンの操作感覚でオーダー端末を利用できればスタッフの負荷を軽減できます。また専用オーダー端末と比べてTCOの大幅な削減も図れます」と、東日本第二ゾーン マネージャー 久保聡志氏は話します。

2012年9月、同社は実際の店舗にコンシューマー向け無線LANアクセスポイントを導入しテストを実施。「本社でのテストでは何も問題が発生せず、当初、無線LAN環境に関しては特別に意識していませんでした」(久保氏)。ところが、店舗でのテストでは通信断などのトラブルが続出しました。「手書きでオーダーをとるなど店舗側に大変迷惑をかけました。当初設置したコンシューマー向け無線LANアクセスポイントでは原因の解明もできず、事象だけが発生し打つ手がないという状態でした」(久保氏)。

次々とオープンする新店舗ではiPod touchを使ったオーダー端末を利用することになっており、「プロジェクトの中止も考えた」(久保氏)というほど事態は切迫していました。

株式会社サイゼリヤ 東日本第二ゾーン マネージャー 久保 聡志 氏の写真
久保 聡志
株式会社サイゼリヤ
東日本第二ゾーン マネージャー

導入のポイント

全国1,000店舗への無線LAN環境の導入を支えた富士通の製品と技術力

高信頼の製品とネットワーク技術者が一体となったサポート体制を重視

日本橋浜町店に設置されている無線LANアクセスポイントの写真
店内に設置されている無線LANアクセスポイント

同社は、店舗における無線LAN環境の課題の早期解決を図るべく、新しい無線LANアクセスポイントの検討を慎重に重ねた結果、富士通の製品を選択しました。採用の決め手について「店舗では、床や壁を通じて様々な電波が飛び込んできたり、モバイルWi-Fiルータを携帯しているお客様がいらっしゃったり、無線LANのパフォーマンスに影響を及ぼす不確定要素が多数存在します。事象の1つ1つに対策を講じていくためには、自社の製品とネットワーク技術者が一体となったサポート体制が求められます。まさにこの点が富士通さんを採用した大きな理由です。また新オーダリングシステムの構築を担当しているナブアシストさんが富士通パートナーであり、両社の連携面も考慮しました」と坪井氏は話します。

同社は、安定した無線LAN環境のベースとなる富士通の無線LANアクセスポイントの高信頼性も重視しました。「富士通の無線LANアクセスポイントは企業で豊富な実績があり、その高性能や高信頼性を高く評価しました。またトラブル時の情報採取に必要な運用管理機能や、電源工事不要のPoE(Power over Ethernet)給電機能による設置しやすさもポイントとなりました」(久保氏)。

富士通のネットワーク技術力を駆使し様々な事象を回避

2012年11月末、富士通の採用を決定。富士通のネットワーク技術者は同社と連携を密にとりながら店舗における無線LAN環境の課題解決にあたりました。その間も新店舗が次々とオープンし、テストの対象は20店舗に広がりました。全国1,000店舗に展開するためには、ロードサイド店舗やショッピングセンター内の店舗、地下の店舗など、様々なタイプの店舗でテストを行い、事象をすべて拾い出し対策を講じておくことが必要でした。富士通は自社製品である無線LANアクセスポイントの設定やファームウェアを変更することで様々な事象に対応。グループキー更新失敗の最小化を図る暗号鍵生成フレームの送信間隔のチューニング、ノイズの影響を避けるべくノイズ発生時にチャネルを自動変更する機能の追加など、同社専用にカスタマイズすることで安定稼働を実現しています。

「富士通さんがソフトウェアによる制御など技術力を駆使し様々な事象を回避していくプロセスを見て、自社製品を理解しているからこそできることだと改めて実感しました」(坪井氏)。

約2カ月間で懸案だった無線LAN環境の課題を解決し、2013年1月末から新店舗システムの全国展開を開始。当初5店舗ずつ、最終的には20店舗ずつ導入できるようになり同年6月末に作業は完了しました。

株式会社サイゼリヤ様のシステム概要図です。無線LAN環境をベースにiPod touchを利用したオーダリングシステムは、手軽な操作性を実現するとともにコストの最適化も図りました。

導入の効果と将来の展望

1年間以上、無線LAN環境でトラブルはなく全国店舗の業務を支える

全国に広がる店舗に導入後、1年以上が経過した現在まで無線LAN環境に関するトラブルは一切発生していません。「富士通さんにお願いしていなかったら、今頃、このシステムは導入できていたのかどうか。今回の選択は結果的に非常に適切だったと考えています」(久保氏)。

安定した無線LAN環境のもと、iPod touchを使ったオーダー端末の導入効果もあらわれています。「イニシャルコストは半減しランニングコストも大幅に削減できました。またオーダー端末の操作ミスも軽減され、初めての人でもすぐにオーダーをとることが可能になりました」(久保氏)。

今回、店内に加え、バックヤードにも無線LAN環境を導入しています。「従来、店長はバックヤードに設置したパソコンを使ってスタッフのシフト管理や棚卸などを行っていました。いまは店内のどこでもタブレット端末で業務が行えるようになり、作業効率が向上しました」(坪井氏)。

今後の展望について「お客様からは店舗の無線LAN環境を公開してほしいというご要望をいただいています。テストも予定しており、店舗における安定した無線LAN環境を確保したうえでお客様の利便性向上にお応えしていきたいと考えています。今後もナブアシストさんと連携した新オーダリングシステムの安定稼働の支援とともに、先進技術を活用した富士通さんからの提案にも期待しています」と坪井氏は話します。

日本はもとより世界で「食」を通して社会に貢献する同社の取り組みを、これからも富士通は先進技術と総合力を駆使し支援していきます。

担当営業、担当SEメッセージ

業界初の試みである、iPod touchを活用したオーダリングシステム構築のプロジェクトに関わることができ、非常に光栄に思っております。ネットワーク技術者として、株式会社サイゼリヤ様が無事に展開を終えることを常に考え、何とかお力になりたいと必死だったことを思い出します。安定した無線LANインフラを構築できたことはもちろん、何よりも株式会社サイゼリヤ様との信頼関係を構築できたことも私の大きな価値となりました。

富士通の担当SE、担当営業の写真。左より、ネットワークサービス事業本部 福島 裕之、流通ビジネス本部 坪井 健二郎

左:ネットワークサービス事業本部 ネットワークソリューションセンター ネットワークサービス技術部 マネージングITアーキテクト(ネットワーク) 福島 裕之
右:流通ビジネス本部 ファッション・専門店統括営業部 第三営業部(フードサービス) アシスタントマネージャー 坪井 健二郎

【株式会社サイゼリヤ様 概要】
所在地 〒342-0008 埼玉県吉川市旭2番地5
代表者 代表取締役会長 正垣 泰彦
代表取締役社長 堀埜 一成
設立 1973年5月1日
資本金 86億1,250万円
従業員数 正社員 2,255人(2014年8月期・単体)
準社員 7,970人(2014年8月期・単体)
店舗数 1,248店舗(国内1,018店 海外230店/2014年8月期・連結)
事業概要 イタリア料理店「サイゼリヤ」をチェーン展開するフードサービス業
ホームページ

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【導入事例(PDF版)】

 

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