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屋内運動場に無線LANを導入し教育用と災害時用として両用
メールで簡単に切り替え、高密度環境で安定した通信を実現

大阪狭山市教育委員会様 外観の写真

大阪狭山市教育委員会様 導入事例


災害発生時、避難者にとって情報収集は避難時の安全確保や避難生活の安定につながります。自然災害が相次ぐ中、大阪狭山市教育委員会様は避難場所となる小中学校の屋内運動場に、平時の教育用と災害対策用を切り替えて利用できる無線LANシステムを導入しました。富士通の無線LANアクセスポイントSR-Mシリーズと、無線LANの切り替えを行うFLEXIBLE WIFI CONNECT FPを採用することで、高端末密度環境における通信の安定化とともに、管理者がメールを送信するだけで無線LANの開放/閉塞の切り替えを実現。リモート操作で緊急時の速やかな対応を可能とし、簡単操作により運用の継続性を図っています。

[2019年2月12日掲載]

【導入事例概要】
業種: 自治体
導入製品: 無線LANアクセスポイントFUJITSU Network SR-Mシリーズ
セキュアスイッチSR-Sシリーズ
FUJITSU Network FLEXIBLE WIFI CONNECT FP
【課題と効果】
1 屋内運動場に無線LANを導入し教育用と災害対策用として両用したい 平時は屋内運動場でネット教材などを活用、災害発生時は無線LANを開放し避難者向けにスマートフォンなどを利用した情報収集を可能に
2 平時と災害発生時の無線LANの切り替えを簡単に行いたい 管理者がメール送信するだけで無線LANの開放/閉塞が可能に。簡単操作で避難者支援に集中する時間を創出、運用の継続性を実現
3 避難所に多くの人が避難した環境において安定した通信を実現したい 高端末密度環境でも安定した通信を実現。また、セキュアスイッチSR-Sシリーズの簡易コントローラー機能で迅速な展開も実現

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導入の背景

避難所となる学校の屋内運動場における無線LANの整備が急務に

『古事記』や『日本書紀』に築造に関する記載がある日本最古の灌漑用ため池である史跡狭山池をはじめ、小田原北条氏の末裔が藩主となり、陣屋を構えた狭山藩陣屋跡などがあり、水と緑と歴史・文化が今も息づく大阪狭山市。大阪府の南東部に位置する同市は、大阪市や堺市周辺の住宅地域としての役割を担っています。「生涯住み続けたい」と思えるまちづくりを目指す同市では子育て、医療・介護の充実、教育・文化、防犯・防災対策などの一層の推進に取り組んでいます。

集中豪雨、台風、地震など自然災害が相次ぐ中、地域防災における学校の役割について、大阪狭山市教育委員会事務局 教育部 教育総務グループ 課長 北野真也氏は「大阪狭山市では、学校の屋内運動場(体育館)が避難所として指定されており、災害発生時には多くの方が集まる場所であることから、災害対策を行ううえでは大変重要な役割を担っていると思います。一方で学校の施設は教育目的で設計されており避難所としての使用に配慮していないため、災害時に必要な機能の確保は重要なテーマです」と話し、こう続けます。「スマートフォンやタブレット端末の普及が進んだ今日では、情報通信環境の多様化に対応すべく、避難場所となる学校の屋内運動場における無線LAN(Wi-Fi)の整備は急務でした。また、教育施設の観点から平時は屋内運動場でもICTを活用した教育を行うことができる仕組みとすることが求められました」。

大阪狭山市教育委員会事務局 教育部 教育総務グループ 課長 北野 真也 氏の写真
北野 真也
大阪狭山市教育委員会事務局
教育部
教育総務グループ 課長

導入のポイント

セキュリティ、簡単操作・運用の継続、容易な運用の3つのポイントを重視

大阪狭山市教育委員会事務局 教育部 教育総務グループ 主事 平井 大地 氏の写真
平井 大地
大阪狭山市教育委員会事務局
教育部
教育総務グループ 主事

大阪狭山市において、小中学校の屋内運動場への無線LAN導入では教育用と災害対策用を切り替えて利用することになります。RFP(提案依頼書)で重視した3つのポイントについて、教育総務グループ 主事 平井大地氏はこう振り返ります。「1つめがセキュリティ。災害対策用の無線LANは一般に開放されるため、災害対策用と教育用を完全に切り離す仕組みが必要でした。2つめが簡単な操作と運用の継続性。災害発生時、災害対策本部のもと大阪狭山市教育委員会は避難部として活動し、避難所に配置された職員が避難者の受付対応などを行います。避難者支援に集中するために、無線LANの切り替え作業は簡単に行えることが必要でした。また人事異動もあるため、人に依存することなく運用を継続できることも不可欠でした。3つめが容易な運用。限られた人数で運用を行うため、シンプルな構成による運用負荷の最小化もポイントとしました」

セキュリティ、簡単操作・運用の継続、容易な運用の3つのポイントに加え、コストも含めて要件を満たしたうえで、指名競争入札により富士通が採用されました。

システムの構成と導入のプロセス

無線LANの開放/閉塞の切り替えは管理者がメールを送信するだけ

今回の屋内運動場における無線LANシステムでは、同市の小中学校10校に対して1校4台の無線LANアクセスポイントSR-Mシリーズを導入し、高信頼・高セキュリティのもと高端末密度環境でも通信の安定化を図りました。またセキュアスイッチSR-Sシリーズを採用しSR-Mシリーズの集中管理機能を提供。別途無線LANコントローラーを不要とし、高額なコントローラーの費用を削減することで、初期導入コストを低減しながらも効率的な運用を実現しました。さらに無線LANの切り替えを行うために採用したFLEXIBLE WIFI CONNECT FP(以下、FWC)は、無線LANのSSID(注1)を自在にコントロールし、無線LANの開放/閉塞制御を行うことができます。

平時と災害発生時の無線LANの切り替えに関して、複雑な操作を必要とせず、無線LANの管理者によるメールをトリガーとする点が大きな特長です。「開放と閉塞の切り替えは、無線LANの管理者が件名や本文にキーワードを入れたメールをサーバに送信するだけです。サーバからはメールの受信や切り替え完了のメッセージが管理者に届きます。使い慣れたメールで簡単に切り替え作業が行える点を高く評価しています。また管理者の登録や解除も容易です」(平井氏)。
障害が見えにくい無線LAN環境において、主要機器を富士通製品で構成しワンストップサポートを提供することにより、迅速かつ安心の保守対応を実現しています。

夏休みの体育館利用者に配慮、電波測定により屋内運動場の全体をカバー

2018年5月に採用を決定し、学校が休校となる夏休み期間中に無線LANのアクセスポイントの設置工事を行いました。夏休みとはいえ、学校の部活動や市民団体の施設利用が行われるため、調整が必要だったと平井氏は話します。「アクセスポイントの設置工事だけですから、全面が利用不可ではないため、各学校にもご協力いただき、富士通さんと相談しながら利用の最大化に注力しました」。また富士通では4台のアクセスポイントで屋内運動場の空間を上手くカバーするために電波測定も実施。「工事完了後のテストで切り替えや通信が快適に行えることを確認しました」(平井氏)。

システム概要図 【大阪狭山市教育委員会様 システム概要図】

導入の効果と将来の展望

メール送信によるリモート操作でどこにいても迅速な対応が可能に

2018年10月、屋内運動場における無線LANシステムが本稼働。教育用の無線LAN導入効果について、平井氏はこう話します。「タブレット端末でマット運動などの模範となるフォームを生徒に見せながら指導を行うなど体育のネット教材の利用が進んでいます。また屋内運動場で行われる様々な課外授業でのネット教材の活用なども検討されています」 災害対策用に関してはまだ利用するシーンはありませんが、その効果に対して大きな期待が寄せられています。「災害発生時には様々な情報が錯綜する中で、やらなければならないことに対し、迅速かつ的確に判断し行動しなければなりません。そうした中、メール送信だけで無線LANを災害対策用に切り替えられるということは非常に大きなメリットです。屋内運動場に避難してきた避難者に無線LANを速やかに開放するとともに、職員が本来業務に集中するための時間を創出できます。また管理者は自席のパソコンはもとより出張先や自宅など、どこからでもスマートフォンでリモート操作により切り替え作業が行えるため、緊急時の迅速な対応を可能にします。さらに管理者が人事異動になっても新しい管理者を登録することで運用の継続性も図れます」。

今後について「屋内運動場に避難した際のスマートフォンなどでの無線LAN利用について、災害発生時はもとより平時から周知していくことを市の防災担当者と検討をしています。また2020年度からの小学校におけるプログラミング教育の必修化への対応など、ICTを活用した教育のさらなる推進は今後も重点テーマです。富士通さんには、教育の情報化に向けた先進的な提案や情報提供を期待しています」と北野氏は話します。

同市ならではのまちづくりを次代に継承し、発展させていく人づくりという大きな役割を担う大阪狭山市教育委員会様。富士通はこれからも先進技術と総合力を駆使し、同市の教育活動を支援していきます。

【大阪狭山市様 概要】
所在地 〒589-8501 大阪府大阪狭山市狭山一丁目2384番地の1
代表者 大阪狭山市長 古川 照人
人口 58,529人(2018年10月31日現在)
小中学校 生徒数 小学校7校・生徒数3,285名・中学校3校・生徒数1,520名
(2018年5月1日現在)
概要 大阪狭山市は大阪平野の南東に位置し、豊かな自然と歴史に恵まれている。第四次大阪狭山市総合計画(2011年度〜2020年度) のもと、誰もが主体的に参画し協働する市民自治によるまちづくりを進めている。
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【用語解説】

注1:SSID
無線LAN(Wi-Fi)におけるアクセスポイントの識別名

【導入事例(PDF版)】

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