キャンパスでの新しいコミュニケーションの方法としてデジタルサイネージが注目されています。国立大学法人宇都宮大学様は、従来の情報発信スタイルから一歩進んだ情報利活用環境を実現するために、インタラクティブデジタルサイネージ、スマートフォンとクラウドとを連携させたシステムを開発し展開しました。
[ 2012年7月31日掲載 ]
お客様の業種: | 国立大学法人 |
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導入サービス: | FUJITSU Business Application デジタルサイネージサービス |
規模: | 4台 |
大学の様々な情報を利用者に効果的でかつ使い易い方法でお届けする。 | 学生や高校生そして地域の方々がキャンパスでインパクトのある情報閲覧が簡単にできるよう、そして学生はスマートフォンを用いることにより、大学情報を至る所で利用できるよう展開を図ることにより、さらなる情報利活用が進むことが期待される。 | |
デジタルサイネージとスマートフォンを共通の対象としたネットワーク型のコンテンツマネジメントシステムを開発することにより、情報のアップデートを容易かつ発展的に行えるよう図る。 |
宇都宮大学様は1949年に設立され、現在は、国際学部、教育学部、工学部、農学部において5,300人以上の学生・院生がキャンパスライフを送っています。かねてから学生への情報サービスの拡充に取り組んできた同大では、2011年9月、他大学に先駆けてインタラクティブデジタルサイネージの設置に踏み切りました。総合メディア基盤センター長の永井 明教授はその理由についてこう述べています。
「大型モニタを用いたデジタルサイネージがひとつの優れた情報提供ツールであることは以前より認識していましたが、一方向性の情報掲示のみではキャンパスにおける多様な情報閲覧ニーズに応えるには不十分でありました。そこでスマートフォンの普及動向、デジタルサイネージの商品開発、そしてクラウドコンピューティングサービス拡充の流れが統合してくる頃合を眺めながら、インタラクティブデジタルサイネージ、スマートデバイスおよびクラウドによるコンテンツマネジメントシステムが連携する新しい情報利活用環境の検討を進め、キャンパスへの展開に踏み切りました。簡単に言うと、キャンパスでは等身大の巨大なタブレットを、モバイルではスマートフォン(小型タブレット等を含む)を用いるイメージで、どちらもシンプルなインターフェースで容易に大学情報を閲覧できるようにしたものです」。
永井 明氏
国立大学法人 宇都宮大学
教授・総合メディア基盤センター長
デジタルサイネージとスマートフォンとのコンテンツ連携性を重視した理由および効果について、同氏はこう説明します。「インタラクティブで大型のモニタを用いたデジタルサイネージは、インパクトが大きいのみならず、難しい操作を必要とせずに、簡単にそしてリズミカルなタッチで目的の情報に到達できるようデザインすることが可能です。キャンパスではこのサイネージによって、従来の形のコンピュータにログインせずに休講などの授業情報、就職関係情報、イベント、ニュース、セミナーなどの様々な情報をシンプルかつ効果的に閲覧することができるようになります。大型モニタの特性を活かし、大学がお知らせしたい事項を効果的に伝えることができます。表示される大学情報コンテンツは共通性を持たせたコンテンツマネジメントにより、スマートフォンからもアクセスできるようになります。これらにより学生は学外にいても、いつでも大学情報を利用できますし、情報コンテンツの作成者や管理者は複数のシステムを習得し操作する必要もなく、一元管理されたクラウド上のシンプルな仕組みによって更新に専念できます。今回のポイントは、大学情報を学生や地域の皆様に効果的に利用していただくために、サイネージとスマートフォンのどちらでも同様に利用できるよう工夫したことと、情報の管理に係る作業負担を軽減し、更新をシンプルにしたことにあります」。
三原 義樹氏
国立大学法人 宇都宮大学
総合メディア基盤センター 助教
設計を始めた当初は、スマートフォンとの柔軟な連携機能を備えたデジタルサイネージは見当たらなかったといいます。そこで同大は、操作性に優れ、かつ連携機能を実現可能とする富士通のデジタルサイネージサービスおよびデバイスに注目し検討を進めました。そして構築に際しては、デジタルサイネージへのコンテンツ登録と自動的に連携してスマートフォンコンテンツが生成される仕組みが求められました。三原義樹助教はこう述べています。「仕様は詳細にわたり吟味されました。使いやすさはもちろん、スマートフォンへのコンテンツ生成のためのインターフェースを可能な限りシンプルにし、運用管理の負担も軽減されることなどです。それらを実現していただいた点を高く評価しています」。
4台の情報提供端末「UBWALL」は多くの学生が往来するエリアに設置されました。峰キャンパスではPC教室が設置されている総合メディア基盤センター、学務部とコンビニエンスストアのある複合施設、地域住民が大学とふれあうコミュニティスペース(「UUプラザ」)、そして陽東キャンパスのアカデミアホールで利用できます。インタラクティブデジタルサイネージとスマートフォンで利用できる情報は、富士通データセンターで管理され、それぞれのデバイスへ適した形式に自動変換されて提供されます。この変換の仕組みに工夫が組み込まれています。
手塚 孝男氏
国立大学法人 宇都宮大学
総合メディア基盤センター 事務室
係長
総合メディア基盤センター事務室係長の手塚孝男氏はこう語ります。「デジタルサイネージによる初めての情報発信ということもあり、どのような情報をどういう形で発信すべきかの検討に予想以上の時間がかかることがわかりました。既存の紙ベースやWord文書データを、いざデジタルサイネージ上で表示し発信する場合、どんなスタイルにしたらよいか工夫が必要でした。そこでコンテンツの提案やデザイン面のサポートを行う富士通のサービスを利用しスムーズな運用開始を実現しました」。
久野 貴史氏
国立大学法人 宇都宮大学
総合メディア基盤センター 事務室
情報基盤係
「UBWALL」は、富士通データセンター内のコンテンツマネジメントシステム(CMS)を、ネットワークを介しWebブラウザで利用するいわゆるWebベースの仕組みで稼働します。その使い勝手の良さについて、総合メディア基盤センター事務室 情報基盤係の久野貴史氏はこう語ります。「プレビュー機能によりWeb画面上でアウトプットを確認できるので、安心して操作できます。また本学にはふたつのキャンパスがあり、キャンパスごとに学内マップの表示を変える必要があるのですが、テンプレートの設定により各キャンパスで情報表示をカスタマイズできる点も便利です」。
同大では今回の展開において、大学情報の利活用をさらに進めるためにはどのような情報や表示がデジタルサイネージに適しているかの考察を重視しています。やはりサイネージが持つ大型ディスプレイのインパクトは大きく、さらにタッチによる軽快な操作性が加味されると効果的にメッセージを伝えることが可能になります。久野氏はこのように述べています。「たとえば、キャンパス内のWi-Fiアクセスポイントの配置図をマップ情報として発信したところアクセス数が飛躍的に伸びました。学内には様々なICT利用環境がありますが、デジタルサイネージには今までにない効果的なメディアとしての可能性を感じています」。
従来の『必要な情報はコンピュータを用いて公式ホームページにアクセスして探して下さい』という姿勢から、富士通デジタルサイネージおよびデータ連携の開発によって、『大学の情報は、ここで今すぐに、しかも簡単に見ることができます。スマートフォンでも見ることができます。』という新たな展開への過程に参加でき、種々のご協力をさせていただきました。このプロジェクトを通じ、デジタルサイネージの新たな役割や可能性が感じられます。富士通は大学の資産である情報を、より活きた形で利用できる魅力あるキャンパスづくりの支援を続けてまいります。
所在地 | 峰キャンパス 〒321-8505 栃木県宇都宮市峰町350 陽東キャンパス 〒321-8585 栃木県宇都宮市陽東7-1-2 |
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学長 | 進村 武男 |
設立 | 1949(昭和24)年 |
学部 | 国際学部、教育学部、工学部、農学部 |
大学院生・学生数 | 大学院生1,012人/学生数4,292人(2011年5月1日現在) |
ホームページ |
国立大学法人 宇都宮大学 ホームページ |
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