歯科医療機器メーカーのシロナデンタルシステムズ株式会社様は、お客様とのコミュニケーションの信頼性向上という重要課題を抱えていました。社屋移転に伴い、通信インフラおよびネットワーク環境の再構築を決めた同社は、必要とするソリューションを的確に選択。自社の業務スタイルに合ったコミュニケーション環境とネットワーク環境を再構築しました。
[ 2011年9月27日掲載 ]
業種: | 歯科医療機器の販売及び修理 |
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導入サービス: | 統合コミュニケーションシステム、FENICSビジネスVPNサービス、FENICSインターネットUTM(セキュリティ)、FENICSメールサービス、WebOffice(富士通マーケティングのSaaS型グループウェア) |
構築期間: | 検討6ヵ月、構築5ヵ月 |
1 | お客様の満足度をUPするためにコミュニケーションを円滑にしたい | 統合コミュニケーション、FMCサービス(注1)導入で出先営業や、サポートサービス要員とも内線通話が可能となり、顧客間も社員間もコミュニケーションが密に。定額通話でコスト減。 | |
2 | 不安定なコミュニケーションシステムを安定稼働させたい | 電話音声とデータの分離で帯域を確保。FENICS網経由のインターネット接続で本社の回線負荷を軽減し、セキュアで安定した環境を構築。通話切れ、低音質、ネットワークダウンが解消し、業務継続性を担保 | |
3 | 電話システム及びネットワークのトラブル発生時、原因の切り分けができていない。 的確な対応を行い、再発を防止したい |
音声とデータを分離したシンプルなネットワーク構成により、トラブル発生時にも原因を的確に把握でき、対策も立てやすくなった |
シロナデンタルシステムズ株式会社様は、創業130年の歴史を持つ、ドイツの伝統ある歯科用機器専用メーカー・シロナの日本子会社です。シロナの製品は100を超える国々のドクターに愛用され、患者用ユニットをはじめとする機器の世界シェアは40パーセント。ドイツ・ベンツハイムのイノベーションセンターにおいて開発される新製品は、常に革新的技術を搭載し、デザイン性にも優れています。例えば先進的な歯科用CT、ワンデートリートメント(日帰り治療)に欠かせない歯科用CAD/CAMシステムなどは業界を大きくリードする製品として注目を集めています。
同社は日本ではまだ新しい会社ですが、「ドクターと患者さんの安心と満足」を目標に掲げ、躍進しています。そのために東京本社と全国主要都市8拠支店と、コールセンターを構築しています。また2004年設立当時4人でスタートした社員数は、160人に急増しています。
同社が重視するのは、お客様である歯科医院の先生方へのきめ細かなサービス、情報提供です。しかし同社とお客様との接点は、万全ではありませんでした。
同社人事総務部のご担当者様はこう語ります。「約4年使用していた電話システムは不調をきたし、営業担当者とお客様が会話中、突然切れてしまうことがしばしば。修理対応と操作方法のご案内のためのコールセンターにおいても同様の不調が発生していました」。
また電話端末の運用面でも解決するべき課題がありました。画面表示が英語でわかりにくい。部署代表の電話番号がないため、取り次ぎ操作が複雑になっていた。電話を転送する場合、誤って違う部署に転送されるなどです。
「担当部署に関係なく、様々な内容の電話がかかってきていたのです。そのため、電話の転送に手間取り、結果的にたらい回しの対応となる、あるいは保留になったまま長時間放置するといった事態が発生していました」(ご担当者様)。
さらに同社は、ネットワークにも課題を抱えていました。最大の問題はネットワーク利用が混み合う時間帯などに、突然ダウンしてしまうことでした。お客様に直接の迷惑がかかるわけではありませんが、基幹システムの利用がストップし、お客様情報の登録や確認ができなくなるのは、やはり大きな問題でした。
李 彩玉氏
シロナデンタルシステムズ株式会社 プロジェクト担当
同社プロジェクト担当の李彩玉氏はこう語ります。「電話システムとネットワークシステムを構築していただいたベンダーさんに週5日、本社に1、2名のオンサイト体制で保守していただいていました。トラブル発生時などすぐに対応し、とにかく復旧するのですが、システムの全体構成が複雑でわかりにくくなっていたので原因把握が難しく、復旧はいつも手探りで原因究明は後回しという状態がずっと続いていました」。
2010年2月、社員増を続ける同社東京本社は、より広いオフィスおよびショールームスペースを求めて新社屋移転を決定。それを機に、通信インフラ・ネットワーク環境の再構築を決めました。
移転に際して、通信インフラ・ネットワークに求められた要件は、システムの全体を明確にし、時間、場所の制約を受けずに迅速な対応が可能な通信インフラ・ネットワーク環境を再構築することでした。同社は、複数ベンダーの提案を各要件に照らして検討した結果、富士通の提案を採用しました。ご担当者様はシステムの選定、そして構築の経過をこう振り返ります。「じつは富士通さんの評価が本当の意味で高まったのは採用決定以降でした。当社のワークフローを理解するヒアリングは想像以上に広く、深いものでした」。
システムの構築前に、何度も打ち合わせやヒアリングを行い、問題点が多かった支店間のネットワーク見直しからスタートし、高信頼のFENICSビジネスVPNサービスにより、音声系と業務系のデータを分離、SaaS型メールサービス FENICSメールへの移行、電話端末の変更などが行われました。そして2011年2月、同社は無事、本社移転を終えました。「電話を安定して利用できるシステムの相談を入り口に、当社のニーズをよく把握され、真に必要なソリューションを提供していただけたと満足しています。また電話端末の入れ替えでは、休日対応で個々の担当者への説明、分かりやすいマニュアルを作っていただくなどにより、たいへんスムーズに進みました」(李氏)。
新システム導入後、顧客間、社員間のコミュニケーションは強化され、本来の業務に専念できるようになり生産性が向上しました。同社はさらに、統合コミュニケーションシステムの様々な拡張性により業務効率アップを図ろうとしています。ご担当者様は次のように語ります。「今後は、出先の営業やサポートサービス要員へお客様の生の声を伝えることが出来るボイスメッセージや、内線化した携帯電話(FMCサービス)、社外からセキュアに操作・利用できるWeb会議などのアプリケーションを連携させ、業務のコミュニケーションをさらに向上させてまいります。」
富士通はこれからも、お客様にとって最適で効率的なコミュニケーション環境を提案し、お客様のビジネス改革をサポートしてまいります。
井関 文徳
株式会社富士通マーケティング
産業営業本部 ネットワークソリューション営業部
シロナデンタルシステムズ株式会社様と打ち合わせ、ヒアリングを重ねる事で、コミュニケーション環境に関する課題や問題点、その要因が把握できました。その結果、PBXの使い勝手だけでなく、ネットワークサポートなどを含めた見直しが必要だと判断。統合コミュニケーションシステム、ネットワークサービス(FENICS)、SaaS型グループウェア、富士通マーケティングのIT運用サービスをご提案申し上げました。
シロナデンタルシステムズ株式会社様には本社移転に伴う各拠点のファシリティ工事も含めたトータル提案と対応をご評価いただいたと感じております。
今後もシロナデンタルシステムズ株式会社様の課題解決に向けた最適なソリューションを提案させていただきたいと思っております。
代表者 | 代表取締役社長 北本 優子 氏 |
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所在地 | 〒104-0061 東京都中央区銀座8-21-1 住友不動産汐留浜離宮ビル5階 |
設立 | 2004年5月 |
社員数 | 160名(グループ全体) |
事業概要 | 歯科向け医療機器の販売 |
ホームページ | シロナデンタルシステムズ株式会社 ホームページ |
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