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ナースコールと位置情報を連動し認知症の施設利用者の安全を確保
スマートフォンによる内線通話で伝達業務の効率化、迅速化を実現

社会福祉法人 生活クラブ・生活クラブ風の村作草部様 外観の写真

社会福祉法人 生活クラブ・生活クラブ風の村作草部様 導入事例


社会福祉法人 生活クラブが運営する生活クラブ風の村作草部様はデイサービス、グループホーム、小規模多機能型居宅介護、放課後等デイサービスの機能を有する複合型福祉施設です。少子高齢化が進む中、生活クラブ風の村が大切にする利用者主体のケアを実現するために同施設では、スタッフ一人一人の生産性やサービス品質の向上を図るべく「FUJITSU Network MobiSart 」を中核とするコミュニケーション基盤を構築。スマートフォンによる快適な内線通話でコミュニケーションの向上を図るとともに、ナースコールと位置情報を連動し認知症の施設利用者の安全確保を実現しています。

[2018年1月24日掲載]

【導入事例概要】
業種: 福祉
導入ソリューション: FUJITSU Network MobiSart
【課題と効果】
1 施設利用者の安全を確保したい ナースコールと位置情報を連動し、室内の位置情報に加え、無線LAN環境のもとで室外の位置情報の可視化を実現。施設内での所在確認とアラームにより緊急対応の迅速化を図る
2 簡単かつ快適に、スマートフォンによる内線通話を実現したい スマートフォンに無料アプリ「内線プラス」をインストールするだけで簡単に内線電話機として利用可能。また富士通製品のスマートフォンとアクセスポイントにより安定性と快適性を実現

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導入の背景

少子高齢化により福祉現場の人員不足が深刻化

高齢者支援、子育て支援、障がい児者支援などの福祉事業を千葉県内に展開する社会福祉法人 生活クラブの原点は1995年の高齢者福祉施設「風の村」の構想にあります。「自分が受けたいサービスを提供する」という考えに基づき、ケアを「してあげる」ではなく、「今、相手にとって何が最適なサービスかを常に考え、行動していく」ことを根幹とする当時の構想は、今も生活クラブ風の村すべての施設で受け継がれています。また高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続け最後を迎えることができるように、地域の中で支えきる活動を「生活クラブ安心システム」と名付け様々な団体とともに取り組んでいます。

2017年4月設立の複合型福祉施設、生活クラブ風の村作草部は、1階が高齢者デイサービス、2階がグループホーム、3階が在宅とデイサービス、ショートステイを組み合わせて利用できる小規模多機能型居宅介護及び放課後等デイサービスの各フロアとなっています。少子高齢化により高齢化率が高まる一方で、労働力人口が減少する中、いかに利用者主体のケアを実現していくか。「福祉現場における人員不足は深刻ですが、福祉事業を担う経営基盤の安定性の観点から人員増強は容易ではありません。こうした事態を打開するためにはICTを活用しスタッフ一人一人の生産性や品質の向上を図っていくことが必要です」と生活クラブ風の村作草部 施設長 石井康治氏は話します。
生活クラブ風の村では介護記録の電子化にいち早く取り組むなどICTの活用にも積極的です。今回、生活クラブ風の村作草部で導入したのが、施設利用者の安全確保と業務の効率化を実現するナースコールと位置情報、スマートフォンが連動したICTインフラでした。

生活クラブ風の村作草部 施設長 生活クラブ風の村グループホーム作草部 責任者 石井 康治 氏の写真
石井 康治
生活クラブ風の村作草部
施設長
生活クラブ風の村グループホーム作草部
責任者

導入のポイント

ナースコールと位置情報を連動し施設利用者の事故を防止

通常、ナースコールは看護師や介護士を呼ぶためのものですが、生活クラブ風の村作草部では本来の使い方とは別に利用者の安全性の観点からナースコールの導入を必須要件としました。「当施設の認知症のご利用者はナースコールを押して呼ぶという目的で認識されることはありません。それでも介護現場の立場からナースコールが必須であると要望したのは、離床センサーや位置情報などとナースコールを連携しベッドからの転倒・転落、徘徊などによる事故を防止するためです」(石井氏)。
また業務の効率化と円滑なコミュニケーションを実現するべく、移動中でもスタッフ間の通話が行えるスマートフォンの内線化も必須要件としました。施設利用者の安全をつなぐ命綱となる位置情報や、業務上の迅速なメッセージを伝える内線通話ではリアルタイム性が求められます。途切れることのない安定した通信環境と優れた音質を実現するために、生活クラブ風の村作草部は小規模オフィス向けコミュニケーションを実現するオールインワン装置「FUJITSU Network MobiSart(モビサート)」(以下、MobiSart)を中核にスマートフォンや無線LANアクセスポイントもすべて富士通製品で固めるシステム構成を採用しました。

システムの概要

スマートフォンを内線電話機やナースコール、位置情報の受信端末に

生活クラブ風の村作草部において情報活用の中継ステーションの役割を担うMobiSartは、SIPサーバ(IP電話サービスの管理制御を行うサーバ)、インターネットルータ、無線LANアクセスポイント、スイッチ、PTSN-GW(公衆電話交換回線網と接続するゲートウェイ)を、A4サイズ1台にコンパクトに集約し省スペース化を図っています。またスマートフォンに無料アプリ「内線プラス」をインストールするだけで簡単にスマートフォンを内線電話機として利用することが可能です。スマートフォン「ARROWS M357」 とアクセスポイント「SR-M50AP1」により高速ハンドオーバーを実現し、アクセスポイント間を移動する際にも切り替えを意識することなく、「切れる、途切れる、聞き取りにくい」など様々なトラブルを解消します。
今回、ナースコールシステムにアイホン株式会社製の Vi-nurse(ビーナース)を採用し、MobiSartを介して株式会社MSD社製の位置情報システムと連動することで、認知症の施設利用者の所在の見える化と迅速な対応を実現しています。室内の位置情報センサーによる在室の確認に加え、無線LAN環境のもと発信器により室外の所在確認を行えるとともに、エレベーターや非常階段などに近づいた場合にはアラームがスマートフォンに通知される仕組みとなっています。また認知症の方が不快に感じることなく発信器を携帯するための工夫も施されています。「認知症のご利用者の生活を観察する中で、部屋から外に出る際に必ず鍵をかけるという習慣に着目し、キーホルダーのようにして鍵に発信器を取り付けました」(石井氏)。

社会福祉法人 生活クラブ・生活クラブ風の村作草部様のシステム構成図です。

利用者からの呼び出し(ARROWS M357)
利用者からの呼び出し(ARROWS M357)

施設マップへの位置情報リアルタイム表示
施設マップへの位置情報リアルタイム表示

導入の効果と今後の展望

安全を見守る位置情報は必要不可欠、スマートフォンによる内線通話も快適

2017年4月、生活クラブ風の村作草部のオープンとともにMobiSartを中核とするナースコールと位置情報、スマートフォンが連動したICTインフラが本稼働して以来、安定稼働を続けています。「認知症のご利用者が入居されているグループホームでは位置情報のリアルタイム表示やアラームは非常に役立っています。長年、認知症の方の介護に携わる中で抱いてきた、常にそばにいることのできない不安感を取り除くことができました。これがないと仕事にならないほど必要不可欠です。ナースコールシステムの画面上の施設マップにご利用者の位置情報と移動情報に基づく動線を表示できることから、認知症の方の行動目的を推察することも可能です。また日常的にスマートフォンで内線通話を利用していますが、スタッフからは全く不満の声は聞こえてきません」(石井氏)。
同施設は規模が小さいためスタッフが利用者を把握しており、スマートフォンに利用者情報を表示するといった使い方はしていませんが、カメラ映像の表示については施設管理面で重宝していると石井氏は話します。「夜間のご家族の来訪時や、小規模多機能型居宅介護における夜間や早朝の送迎の際にカメラドアホンの映像をスマートフォンで確認し遠隔にて電気錠の解錠操作を行っています」。
ナースコール、位置情報、内線通話、施設管理、導入予定のインカムなどの利用をスマートフォン1台に集約できたことで、業務の効率化とともに介護の際の動きやすさも実現しています。今後の展望について石井氏は次のように話します。
「新規施設におけるICTインフラの導入では当施設で構築したシステムがベースになると考えています。生活クラブの他の法人も非常に関心を持っています。また今回のシステムを利用し、千葉大学との間で心拍数などのバイタル情報を活用した認知症の介護に関する研究協力も行っています。さらに小規模多機能型居宅介護のご利用者の在宅介護における遠隔モニタリングなども検討中です。富士通さんには安定稼働の支援はもとより、ご利用者の視点に立ってICTによる介護業務支援の先進的な提案を期待しています」。
富士通はこれからも総合力とICTを駆使し、生活クラブ風の村および、生活クラブ風の村作草部の活動を支援するとともに、少子高齢化時代に応える福祉施設の看護・介護のワークスタイル変革の推進に貢献していきます。

社会福祉法人 生活クラブ・生活クラブ風の村作草部様の皆様と富士通担当者の集合写真
生活クラブ風の村作草部の皆様と
後列右から富士通)中島信親、朝田健一、荒川圭美

担当SEメッセージ

導入にあたっては、入居者様の安全・安心を一番に考える生活クラブ風の村 グループホーム作草部様の実現したいイメージを連携先企業様と共に推進させていただけたことに感謝しております。
ナースコールや位置情報などのシステム連携を通じて、入居者様とのコニュニケーション、介護職員同士のチームワーク向上に貢献でき大変嬉しく思います。
今後も風の村様のご発展に貢献できるよう、邁進してまいります。

担当SE: ネットワークサービス事業本部)ネットワークフロントセンター)中島 信親・朝田 健一

【社会福祉法人 生活クラブ・生活クラブ風の村作草部様 概要】
所在地 〒263-0015 千葉市稲毛区作草部1-15-17
施設長 石井 康治
設立 2017年4月
サービス提供地域 千葉市
事業内容 生活クラブ風の村デイサービスセンター作草部(定員25名)
生活クラブ風の村グループホーム作草部(定員18名)
生活クラブ風の村小規模多機能ハウス作草部(定員29名)
生活クラブ風の村あかとんぼ作草部(障がい児放課後等デイサービス)
ホームページ 社会福祉法人 生活クラブ・生活クラブ風の村作草部 ホームページ新規ウィンドウが開きます

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