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グループウェア
FUJITSU ビジネスアプリケーション JoinGear
JoinGear導入物語 第8話

第8話  情報共有の世界は大きく地殻変動

自社サーバ構築タイプを見直す動き

ひろみは三田に会いたくなってきた。そういえば、ここ数カ月会っていない。JoinGearの利用が順調に進んでいるので、彼に連絡をとる必要がなかった。でも、やっと理由ができた。伊藤課長を通じて、専務から新しいテーマが届けられたのだ。
「専務はね、『井の中の蛙ではいけない。グループウェアではなく、情報共有という企業の要件からみて、世の中はどう動いているか』を教えて欲しいそうだ。何か考えていることがあるらしい」と言いながら、伊藤課長はまゆを寄せて真剣な表情をしてみせた。
そのことを、ひろみが三田に相談すると、彼は1週間の余裕を求めてきた。最近の商談を振り返って分析する時間が欲しいという。気はせくが、来週のアポを約束して電話を置いた。
専務からの依頼であれば、三田はつい一生懸命になってしまう。この際、JoinGear商談を簡単に分析することにした。あまり古いデータを分析しても意味はない。ここ1年の商談を分析すれば最近の傾向は出るだろう。ベテランの三田のところにはJoinGearに限らず、広い意味の情報共有に関する相談が来ている。これらを分析すれば、専務の期待に添えるかもしれない。時間がなければ週末をつぶせばいい。どうせ、予報ではこの長雨は週末まで続く。
ひろみは伊藤課長と一緒に三田の訪問を受けることにした。ところが直前になって専務も出席するという。三田に相談することは内緒にしてあったのに、どこで伝わったのだろう。期末が近く忙しいので、打ち合せは金曜日の午後4時に設定され、場所はいつのまにか役員用会議室に変更された。
三田は時間より少し早く来た。彼もやはり専務が出席すると聞くとびっくりしたが、すぐに落ち着きをとりもどした。
「いやあ、忙しいところ呼び出して悪いね。実は知り合いが悩んでいてね」と、部屋に入ってくるなり専務は悪びれた風もなく三田に話しかける。いつも的を外さない受け答えをする彼を気に入っているようだ。
「大学時代の友人の会社でね、社員は800名ほどだから中堅企業かな。グループウェアの世界では30%のシェアを誇っているセトンを採用してもう8年になるのだけれど、バージョンアップのたびに費用がかかって大変。相談に乗ってくれというわけだ」
「セトンですか。確かに商談は多いですね。シェアが高かっただけに目立ちますね。では、その問題に絞って話をしましょう」
「いや、確かにきっかけはセトンだが、これを機会に私も考え方を整理しておきたいと思ってね。最近ではASPよりもSaaSの方が人気高いとも聞くし。三田君なら最前線で顧客ニーズをつかんでいるはず。世の中がどんな動きをしているか教えてほしい」
「了解しました。では全般的なことから」
といいながら三田はカバンから用意した資料を取り出し、説明をはじめる。

最近の情報共有商談のイメージイラスト 「情報共有の商談で一番多いのは既存グループウェアの見直しですね。サーバー構築タイプだと3年か4年でバージョンアップの時期を迎え、そのたびに他社も呼んで競合商談になります。ところが、その様子が最近変わってきています」
「ほう、どんな風に変わっているの」と専務は興味津々の様子。
「まず、ほとんどの商談では既存のグループウェアを前提としなくなりました。これは、現状に満足していない、というよりは逃げ出したがっていることを示しています」
「そのグループウェアは自社サーバにアプリケーションを構築するタイプですか」と伊藤課長も身を乗り出しています。前の会社で情報系のシステム担当であったこともあり、気になるようです。
「そうです。昔はグループウェアといえば自社サーバタイプしかなかった時代があり、100名とか300名規模の会社で、本来ならとてもグループウェアの専門家を抱えられない企業までもが自社サーバを導入し、そのままバージョンアップを繰り返してきたのです。というよりは、バージョンアップについていけない会社もあるようです。保守切れのマシンが老朽化してダウンが多くて困ると嘆くお客様もいるほどです」

自社サーバ採用企業の悩みのイメージイラスト 西に傾いた太陽が木陰をくぐって高窓から差し込んでいる。そのせいか専務の顔が少し赤い。その場には重苦しい空気が流れる。友人の会社のことだけど、専務としては解決策を見出したいと思っている。
「それで、皆さんはどうしているの。新バージョンに乗り換えない会社はどうしているの」
三田は一呼吸を置いてから話を続けた。
「捨てる決断をしています」
「えっ、捨てる?」と、専務は素っ頓狂な声を出した。温厚な専務にしては珍しい反応だ。
「既存のデータベースやメールの移行ができなくてもいいから、とにかく逃れたいということです。古いシステムに支配されるよりは、思い切って新しい世界に飛び出したいという行動です」
専務の顔にはまだ驚きの余韻が残っている。しかし、三田はそのまま続けた。
「そして最近の商談の特徴の二番目は、SaaS型を指定して商談参加を呼びかけるケースが多くなっています。もっとも、500名以上、数千名規模に対応できるところは他にありませんから、結果的にはJoinGearに声がかかります」と、三田にしては珍しく少し誇らしげな顔をみせた。

セキュリティはもっと厳しく

次はメールセキュリティの話題に移った。
「うちもスパムにやられて困っている。この間も営業部門の携帯電話料金が急に増えたので問題にしたら、原因はスパムメールを携帯に自動転送したためだった。外回りの多い営業は社内メールを自動転送して社外でメールや伝言を受け取らないと仕事にならないだろうし、三田君、何とかならないの」
三田は少し詳しく説明した。JoinGearの既存のお客様でもスパムメール対策に悩まれているところが多い。対策としては、1)タイトルやメールアドレスが判明していればWebメールの振り分け機能が有効、2)相手のドメインが特定できればメールフィルターが有効であるが、日々進化しているスパムメールにはこれでは対抗できない。迷惑メールガードなら、業界で定評のあるシマンテック社のフィルターに加え、ニフティの豊富なノウハウを反映した基本フィルター、さらにはベイズの確率予測理論を応用した学習フィルターの3段フィルターにより、大きな効果を発揮できる。
「というわけで、皆さん一か月のお試し利用で効果を確認してから導入しています。JoinGearのお客様でも人気です」と顧客利用事例のリーフレットをさりげなく配るところは、やはり営業だ。

別インフラで社外を含めた効率化

続いて、伸びが大きい社外との情報共有がテーマとなった。
「ネットワークを介した社外との情報共有は昔からのテーマです。パソコン通信の時代から、遠隔地間通信は効率化の大きな手段でした。自社のグループウェア環境とは別にした形で、社外の取引先と情報共有をしたいというニーズです。最近は携帯メールの普及もあり、メールの便利さは浸透していますから、ネットワーク利用のすそ野は確実に拡大しています」
しばらく黙って聞いていた専務が口をはさんだ。
「自社のグループウェアとは別に、と言っていたけど、アクセス権をしっかり設定すれば社外の取引先も一緒のところではいけないの。JoinGearではきちんと使い分けができるはずだったけど」
「確かにそうです。しかし、内部統制が強化されセキュリティ要件が厳しくなっています。ネットワークは社内と社外を分ける方向にあります。最近ではJoinGearでもアクセス制限という新しいサービスを追加しました。普通のJoinGearはインターネットに接続できれば出張先や自宅でも利用できるのですが、これをJoinGearを使えるのは会社にいるときだけで、自宅などからは使えないようにしたいという要求に対応しています。グローバルIPアドレスが固定の事業所だけであれば、それぞれのIPアドレスを登録しておけば、それらの事業所からしかJoinGearが使えなくすることが可能です。すでに証券会社や建設会社などで採用されています」
「いや、三田君ありがとう。いろいろな話を聞かせていただいた。これを私なりにまとめてみたい。SaaSの時代を迎えて、皆さん自社のグループウェア環境を大幅に見直ししている。また、利用者のスキルが高まるにつれて社外にも情報共有の範囲が拡大されている。ただ、セキュリティ強化の方向もあり、社外とはネットワーク的には別のものを用意した方がいい。メールに関しては、内部統制の要求もあり、差し迫った要件として迷惑メールガードがよく売れている。こんなところだったかな」
「恐れ入ります」

「ところで三田君、最近Ajax(エイジャックス)対応とか聞くけど、なんのこと」
「専務は詳しいですね。SaaS時代の技術と言われて、様々な要求を同時に処理できますので、Ajaxを採用すれば今までより見栄えのいい画面操作ができるようになります。JoinGearでも検討していますので、もう少しお待ち下さい」
「バージョンアップを待てばいいってことか。週末にJoinGearセンターでバージョンアップすれば、翌日から最新機能を使える。今週末にアップしてよ」
「いやいや、まだ確認テスト中です。アップする際は全ユーザ一斉に定期保守の中でアップしますので、もうしばらくお待ち下さい」
ひろみは苦笑している。相変わらず専務はせっかちだ。
「いやあ御苦労さま。今日は週末だ。三田君、軽く寄っていかないか」
と専務はグラスを傾ける仕草をする。
「ありがとうございます。お供します」
立ち上がった三田とひろみの目線が一瞬、交差した。ひろみの目は、ありがとうとほほ笑んでいた。

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