このページの本文へ移動
  1. ホーム
  2. ITサービス、ソリューション >
  3. ネットワーク >
  4. 導入事例 >
  5. ネットワークサービス 導入事例 株式会社カービュー様

海外向けWebサイトのシステム増強や現地サーバ設置を行わずに短期間で全世界からの通信レスポンスを大幅に改善


株式会社カービュー様 導入事例


海外向け中古車輸出支援サイトで海外からのアクセスが遅くなる現象を確認。インターネットの中間経路「ミドルマイル」の通信高速化/安定化を実現するFENICS Web高速配信サービスの導入により、サーバ設備の増強をせず短期間で利用者の快適なレスポンスの改善が図れました。

[ 2010年8月26日掲載 ]



 導入の背景・課題 |  原因と対策 |  ECサイトに最適なCDNを提供 |  採用のポイントと導入効果 

導入事例概要
お客様の業種 インターネット広告事業
導入サービス FENICS Web高速配信サービス powered by Akamai
概要 海外向け中古車輸出支援サイトのレスポンス向上
構築期間 検討2ヶ月、導入1ヶ月

課題と効果

課題1 国内から提供する海外向け中古車輸出支援サイトに対する海外からのレスポンス改善を図りたい
効果 サーバ追加やインターネット回線増速、または海外拠点へのサーバ設置等を行うことなく、全世界からの通信レスポンス向上を1ヶ月で実現

導入サービスに関するお問い合わせはこちら

導入の背景・課題

国内最大の自動車情報サイトを運営

株式会社カービュー様は、日本国内最大手の自動車関連情報サイト「carview(カービュー)」(月間5億PV)をインターネット上で運営しているインターネットメディア事業者です。同サイトでは自動車関連ニュースをはじめ、掲示板、新車の試乗レポートなど自動車に関する幅広い情報を提供し、さらにユーザーのブログを中心としたSNS「みんカラ(みんなのカーライフ)」(会員数25万人)も提供しています。

海外向け中古車輸出支援サイト「tradecarview」の拡大に伴い課題が発生

さらに2004年からは国内の中古車販売業者と海外の買主間を結ぶ、全世界向けの中古車輸出支援サイト「tradecarview(トレードカービュー)」(会員数15万人)も新たに運営を開始。2010年5月から追加された収納代行サービス「PayTrade」により「tradecarview」を介しての安全な取引も実現し、ますますその利用者を拡大しています。

「tradecarview」はアフリカ諸国(特に東アフリカ)での認知度が高く、日本から中古車を購入する際に利用される割合が非常に高いサイトです。しかし対象諸国からのインターネットアクセス環境は様々であるため、一部のサービス利用者より「サイトの表示が遅い」とのクレームが発生し、カービュー様は改善を図るための方法を探していました。

データセンター/現地側のどちらにもレスポンス低下の原因はなかった

「tradecarview」は日本国内のデータセンターにサーバを設置し、海外向けにサイトを提供しています。カービュー様はまず、サーバの負荷状況やデータセンターからインターネットに接続されている回線の使用帯域を確認したところ、そのどちらにも余裕があったため、データセンター側の性能不足が原因ではないことが分かりました。

そこでカービュー様は実際にアフリカを訪れ、現地のネットカフェ等からインターネットにアクセスしてみる方法でレスポンスに関する調査を実施しました。するとやはり「tradecarview」の表示は遅いものの逆に他のサイトへは快適にアクセスできることが判明。これは現地側のインターネット通信環境の品質が原因で常に表示レスポンスが遅いわけではないことを示していました。

原因と対策

インターネットにおける「ミドルマイル(注1)」部分がボトルネックに

インターネットの通信は、その距離が長くなるにつれて遅延が大きくなる傾向があります。特に画像やテキストといった数多くのコンテンツから構成されるWebページでは、TCPによる通信の特性である往復回数の多さも原因となり、たとえ一つのデータが送られる際の遅延がわずかなものであっても、ページ全体が表示されるまでにはその遅延が数多く積み重なりレスポンスの悪化を引き起こします。

これはインターネット環境全体が高速な日本国内間でのアクセスでは通常あまり顕在化しません。しかし今回のように海外の端末から日本のサイトにアクセスする場合、利用者とWebサーバ間の通信は複数の国を経由することとなるため、距離の増大による速度の低下に加え、その間に多数存在するISPの品質や相互接続状況の影響などにより通信安定性が損なわれやすくなります。

これらのボトルネックや通信経路の最適化が上手く機能しないことによる通信の遅延は、インターネットにおける「ミドルマイル」の問題として常に存在し、特に海外などの遠い場所にあるサイトへのアクセス時に顕著に現れます。

そしてミドルマイルの遅延はインターネット網自身の持つ課題であり、データセンター側での設備増強では決して改善することが出来ないため、日本発で世界に向けてサービスを提供している数多くのサイトが同様の問題に悩まされています。

海外向けサイトのレスポンス改善方法

海外向けサイトのレスポンス改善を実現する方法の一つは、現地データセンター等にサーバを設置しそこからWebサイトを提供することです。しかしこの方法では各国毎にシステムが必要となり、その設備投資やコンテンツの更新等に多大なコストが必要となります。さらに現地側のインターネット環境そのものにミドルマイルの問題が発生している場合、この方法による改善の効果は限定的なものとなってしまいます。

一方でインターネットを利用した大規模なコンテンツ配信を実現する手段として、CDN(Contents Delivery Network)と呼ばれるサービスが提供されています。CDNとは一般的に、インターネット上に配置された多数のキャッシュサーバ網を経由してコンテンツを配信することで利用者のレスポンス向上やWebサーバ(オリジナルサーバ)へのアクセス集中を軽減する仕組みです。

実際にカービュー様も当初は海外へのサーバ設置も検討されましたが、全世界向けに提供しているサイトの効率的な設置場所やコンテンツの一元管理が難しくなることも考慮した結果、やはりCDNの導入が最適であるとの結論に至っていました。

しかし「tradecarview」のようなECサイトの場合ひとつのページを構成するコンテンツは、キャッシュによる高速化の効果が高いテキストや画像といった静的なものだけでなく、ページを表示するたびにWebサーバやDBサーバへのアクセスを伴う商品検索や取引情報といった動的なデータも多数存在します。

そのため、実は多くのCDNサービスが提供するキャッシュ機能だけではECサイト全体のレスポンスを改善することができないのです。

ECサイトに最適なCDNを提供

ミドルマイルのレスポンス改善を実現するWeb高速配信サービス

こうした課題を解決するには、キャッシュ機能による負荷分散や静的コンテンツ配信に加え、動的データがやり取りされるミドルマイル部分をも改善することができるCDNが必要となります。

「FENICS Web高速配信サービス powered by Akamai(注2)」は、Webサイト/ダウンロードファイル/映像データ/EDIなど、インターネットを経由して提供されるあらゆるコンテンツ配信の負荷分散/高速化/通信安定化を実現する高機能CDNサービスです。

全世界に展開された73,000台以上のエッジサーバ(注3)網を通じてグローバルに提供されるこのサービスでは、キャッシュ機能による静的コンテンツ配信の負荷分散や高速化だけでなく、以下のような特長的な機能により特にミドルマイルにおける動的コンテンツのレスポンス向上に効果を発揮します。

導入前概要図

導入後概要図

通信経路の最適化機能

通常、インターネットにおけるサーバ~利用者間の通信経路はBGP(Border Gateway Protocol)により決定されます。しかしこのBGPにより導き出されるルーティング情報は、ISP間の相互接続状況等により必ずしも常に最適経路であるとは限らないため、特に海外などの遠方との通信レスポンスを悪化させる原因の一つになっています。

本サービスでは、全世界に展開されたエッジサーバ網間で信頼性・回線速度・遅延などを常時監視することにより、独自の通信経路を算出し定期的に更新しています。この独自の経路情報とBGPによるルーティング情報を比較・選択しながら配信を行うことで、常に高速で安定した通信を実現します。

TCP通信の最適化機能

またTCP通信の往復回数によるレスポンス低下を防ぐ機能も提供します。本サービスではエッジサーバ間で接続が確立された際のTCP通信のコネクションを一定時間維持しつつ複数の通信を処理することで、コネクション確立時に発生するオーバーヘッドを削減。さらにエッジサーバ間については独自プロトコルによる通信を行うことで、TCP通信の持つスロースタートな特性を改善し、高速な通信を可能としています。

採用のポイントと導入効果

高機能なサービスを短期間で導入

採用のご検討にあたっては、これらの機能に加えエッジサーバ側でページ内に埋め込まれた画像などのコンテンツをオリジナルサーバから先読みして取得することにより、利用者端末への表示速度を改善する「プリフェッチ機能」も、他のCDNサービスには無い特長として高い評価を頂きました。

また、実際の導入においてはクラウド型で提供される本サービスの特性をいかし、オリジナルサーバへのシステム変更を行うことなく1ヶ月という短期間でスムーズに導入作業が完了しました。

確実な改善効果

本サービスの導入により、「tradecarview」では7月のテスト運用での配信テスト/パフォーマンス検証においても、課題であったアフリカ現地からの表示レスポンスが体感速度で約2倍にまで高速化されていることが確認されました。また、8月からの本番稼動開始直後よりサイト全体でページビューが10%ずつ向上し、CDN内の通信レスポンスも全世界平均で2倍以上高速化されています。

富士通は本サービスによるミドルマイルの通信品質改善を通じて、カービュー様とtradecarview利用者のサービス向上を今後もサポートしていきます。

導入サービスの紹介

FENICS Web高速配信サービス powered by Akamai

FENICS Web高速配信サービスは、インターネットを経由したWebサイトへのアクセスやファイル配布の不可分散/通信安定化をグローバルに実現するサービスです。

サービス内容の詳細はこちら

【お問い合わせ】

用語解説

注1 : ミドルマイル
サーバや端末からインターネットに接続するアクセスポイントまでの部分をそれぞれ「ファーストマイル」「ラストワンマイル」と呼ぶのに対し、単独または複数のプロバイダを経由するアクセスポイント間の通信経路部分を「ミドルマイル」という。
注2 : Akamai
米国アカマイ・テクノロジーズ社が提供する世界最大規模のCDNサービス。当社はAkamai国内正規販売代理店として連携し、様々なCDNソリューションを提供します。
注3 : エッジサーバ
全世界のISPやデータセンタに設置され、AkamaiのCDNサービス網を構成する独自のサーバ。配信コンテンツのキャッシュや負荷分散、経路最適化、仮想ストレージ領域の提供など様々な機能を提供。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。